婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜

6 興味津々

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「侯爵令嬢が……鉱山!? しかも、坑夫として働いている、だと!?」

 レイモンドは開いた口が塞がらなかった。無茶苦茶な話に彼は目を剥いて、しばし硬直する。 
                                                                             
「はい。間諜によると、アングラレス王国の王子の命令で鉱山の潜入捜査を行っているそうです」と、側近のフランソワが事務的に告げる。
 レイモンドは眉根を寄せて、

「命令? アンドレイ王子は自身の婚約者を鉱山送りに? 一体なにを考えているんだ?」

 うんうんと頭をいくら捻ってもアングラレスの王子の意図が理解不能だった。
 鉱山は劣悪な環境で、死と隣合わせの危険な場所だ。
 そこに貴族の令嬢を送り込むなんて。将来の伴侶……ましてや未来の王妃に対しての扱いではない。
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