婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜

11 ダイヤモンド鉱山⑤ 〜アデュー、ダイヤモンド鉱山〜

 結局、レイの申し出を断れずに……互いに互いの弱点を握っているから抜き差しならないのよね……わたしは彼とともに鉱山の地図を作成することにした。

 わたしたちは毎晩、皆が深い眠りに入った頃に落ち合って、ひっそりと坑道を練り歩いた。
 彼は鉱山関係に明るいようで、鉱石のことや採掘の技術、加工や市場の事情など多くのことを教えてくれて、とっても勉強になった。
 普段はおちゃらけた人だけど、さすが高位貴族の令息様だと、その知識の深さに舌を巻いたわ。
< 76 / 303 >

この作品をシェア

pagetop