婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜
「オディール・ジャニーヌ ハ マジメデドリョクカ ソレダケガトリエサ」
夢なんかじゃない。本当に、目の前のヴェルが言っている。
真面目で、努力家って……。
わたしが……?
「オディール マジメ ドリョク、カ?」ヴェルはくるんと首を傾げながらまた言った。「ソレダケガトリエサ!」
わたしは少しのあいだ茫然自失としていたが、自然とポロポロと涙が溢れ出てきた。
生まれて初めて褒められた……!