二人でお酒を飲みたいね。
「いつもそうなのよねえ あなたは。 決断できない時には考えとくって、、、。」 「チームも動き出したばかりだからさ、、、。」
「ふーん、、、あなたはいつも誰かと一緒よね。 私なんていつも一人だわ。」 妙に寂しそうに見える目、、、。
俺は康子の顔を覗いた。 「彼女のことも有るんでしょう? いいわよねえ、好きに抱かせてくれる女が居て。」
「おいおい、それは、、、。」 「いいのよ。 無理しなくても。」
康子はまた黙り込んでしまった。 重たい空気が居間を流れていく。
テレビは消されているから物音一つしない。 スープを流し込みながら俺はまた考えた。
すると、、、。 「今夜は思いっきりあなたに甘えたいわ。」
「え?」 「あの頃以上にあなたに甘えたい。 いいでしょう?」
「う、うん。」 「変わってないわねえ。 付き合ってる頃はいつも私に押されて合わせてくれてた。」
「それは、、、。」 「こいつって女を捕まえたらあなたはいつもそうなのよ。」
「確かに、、、。」 「今夜は私だけを見てね。」
「、、、。」 「分かってるわよ。 妻じゃないことは。 でもね、愛されたいの。」
「康子、、、。」 「やっと名前で呼んでくれたわね。 嬉しい。」
椅子から立ち上がった康子は着替えるために寝室へ入っていった。
(今夜は何を着るんだろう?) 妻でもない康子の寝姿を想像しながら俺は日本酒を飲んでいる。
「よし。 今夜はこれで決まりね。」 しばらくして康子は襖を開けた。
「え?」 にこやかに微微笑んでいる彼女を見付けた俺は一瞬固まってしまった。
シースルーのバスローブにショーツだけ、、、「おいおい、、、。」
「なあに? 過ぎた?」 「い、いや、、、。」
「はっきり言っていいのよ。 今は奥さんでも何でもないんだから。」 「とは言うけどさあ、、、。」
「これくらいいいでしょう? 私だって萌えたい夜は有るのよ。」 「それはそうかもしれんが、、、。」
(年甲斐も無く、、、)と言おうとしたのだが、やっぱりはっきり言うことは出来ないでいる。
「あなただって萌えたいでしょう? 昔、抱いた女がこうやって戻ってきたのよ。」 「あ、ああ。 まあそうだけど、、、。」
「煮えない人ねえ。 はっきりおっしゃって。 旦那様。」 何処から見ても淫らに装った康子が膝まづいて懇願してくる。
それを見ていた俺も我慢できなくなって彼女を膝の上に抱き上げた。 「本気になってくれたのね? 嬉しいわ。」
バスローブの前は開けたままだから容赦なく胸が迫ってくる。 (こんなに色っぽかったのか?)
荒い息を弾ませながら口付けをせがんでくる。 なぜもっと愛せなかったのだろうか?
いつか俺たちは布団の中で絡み合っていた。 そう、尚子よりも激しく熱くね。
真夜中、寝入っている康子の顔を見ながらふと思った。 (俺はまだ康子を愛していたのか。」と。
外は今夜も静かである。 あの頃と同じように何処かで飼い犬が吠えている。
時々、風が何かを揺らしながら吹いていく。 平和な町だ。
その静かな空気の中で康子は安心したように寝息を立てている。 「もう一度やり直してもいいかな。」
俺はボソッと呟いてみた。 「うーーーーん。」
康子の寝言にギクッとするけれど、何だか妙に満たされた気分になっている。
だったら尚子はどうするんだ? 抱くだけ抱いて捨てるわけにもいかないだろう。
今はウィークリーワイフだなんて言ってるけれど、いつまでもそれでいいはずはない。
どちらかに決めなければ二人の女を不幸に突き落とすことになる。 それでなくても尚子は、、、。
俺の頭の中は二人の女のことでいっぱいになってしまった。
翌日は日曜日。 尚子は夜遅くに帰ってくるという。
それまでに康子も帰る予定である。 今は朝、、、。
布団の中で康子は素っ裸のままで寝入っている。 時々寝返りを打つのだが、それがなぜか色っぽく見えてしまう。
見ていると我慢できなくなるから自分を殺して居間に居る。 されどやっぱり何かが気になるらしい。
何気なく襖を開けて寝室を覗いてみる。 そしてまた椅子に座る。
でも数分おきに襖を開けては溜息を吐く。 何度か繰り返しているうちにとうとう我慢できなくなって康子を抱いてしまった。
「おはよう。 やっぱり抱いてくれてたのね? 感じてたわよ。 あなたが求めてくるのを。」 「ごめんごめん。」
「謝ることなんて無いわよ。 あなただって欲しかったんでしょうから。 それにね、、、。」 「何?」
「布団の下に隠してあったわ。 尚子さんって人の手紙が。」 「手紙?」
「うん。 「前妻さんが安心して戻って来れればいいな。」って書いてあったわ。」 「あいつがそんなことを?」
「どうなんだろう? あの人だって本気だと思うわよ。 じゃなかったら抱かせたりしないもの。 でもたぶん、あの人はずっとあなたに付いていたいって思ってるわね。」 「なんで?」
「あなたが何かで困ることが起きたら力になりたい。」って続けてたから。」 「そうなのか。」
「羨ましいわねえ。 二人の女を虜にするなんて、、、。 私には出来ないわ。」 「そんなこと無いだろうよ。」
「私にはそんな魅力なんて無いもの。 仕事出来るだけで。」 「いいじゃないか それでも。」
「でもいいのよ。 こうしてあなたの女に成れたんだから。」 康子はそこまで言うと熱いコーヒーを飲んだ。
「昼からどうするの?」 「予定は無いよ。」
「じゃあさあ、散歩しない? 前みたいに。」 「いいねえ。」
ってなわけで俺と康子は昼から散歩することにした。 何年ぶりだろうねえ?
なんか康子は嬉しそうだ。 公園の芝生でのんびりと空を見詰めるのが好きだったからね。
昼食を済ませた俺たちはお互いにラフな格好をして玄関に立った。
「働いている時とは違うわねえ。」 「分かるのか?」
「そりゃあ奥さんだったんだもん。 分かるわよ。」 久しぶりに腕を組んでみる。
あの頃はロングだった康子の髪もさっぱりとショートヘアになっている。
「そのほうが合ってるぞ。」 「そう? 珍しいわねえ。 髪を褒めてくれるなんて、、、。」
「そりゃあねえ、たまには。」 「たまには、、、か。 毎日褒めてほしいわねえ。」
「そんなものなのか?」 「あらやだ。 女心を分かってないのねえ。 あなたって。」
(今頃気付いたの?」 「前から分かってたけどねえ。」
くだらない話をしながら二人でよく行った公園へ、、、。
「あらまあ、ここも変わってないのねえ。」 「そりゃそうさ。 ここいらは年寄りしか居ないんだ。 変わりようが無いよ。」
誰もがシルバー団地と呼んでいる団地群の傍にやってきた。
馴染みの年寄りたちが外で話をしている。 猫がじゃれついている。
「変わってないのねえ。 懐かしいわーーー。」 康子は芝生に腰を下ろした。
座っている康子を見ながら俺は昨夜のことを思い出していた。
「あなたに抱かれて燃え尽きるまで燃えたいわ。 奪い尽くしていいのよ。 あなたの物だから。」 全てを曝け出した彼女は夢を見ているようだった。
「ふーん、、、あなたはいつも誰かと一緒よね。 私なんていつも一人だわ。」 妙に寂しそうに見える目、、、。
俺は康子の顔を覗いた。 「彼女のことも有るんでしょう? いいわよねえ、好きに抱かせてくれる女が居て。」
「おいおい、それは、、、。」 「いいのよ。 無理しなくても。」
康子はまた黙り込んでしまった。 重たい空気が居間を流れていく。
テレビは消されているから物音一つしない。 スープを流し込みながら俺はまた考えた。
すると、、、。 「今夜は思いっきりあなたに甘えたいわ。」
「え?」 「あの頃以上にあなたに甘えたい。 いいでしょう?」
「う、うん。」 「変わってないわねえ。 付き合ってる頃はいつも私に押されて合わせてくれてた。」
「それは、、、。」 「こいつって女を捕まえたらあなたはいつもそうなのよ。」
「確かに、、、。」 「今夜は私だけを見てね。」
「、、、。」 「分かってるわよ。 妻じゃないことは。 でもね、愛されたいの。」
「康子、、、。」 「やっと名前で呼んでくれたわね。 嬉しい。」
椅子から立ち上がった康子は着替えるために寝室へ入っていった。
(今夜は何を着るんだろう?) 妻でもない康子の寝姿を想像しながら俺は日本酒を飲んでいる。
「よし。 今夜はこれで決まりね。」 しばらくして康子は襖を開けた。
「え?」 にこやかに微微笑んでいる彼女を見付けた俺は一瞬固まってしまった。
シースルーのバスローブにショーツだけ、、、「おいおい、、、。」
「なあに? 過ぎた?」 「い、いや、、、。」
「はっきり言っていいのよ。 今は奥さんでも何でもないんだから。」 「とは言うけどさあ、、、。」
「これくらいいいでしょう? 私だって萌えたい夜は有るのよ。」 「それはそうかもしれんが、、、。」
(年甲斐も無く、、、)と言おうとしたのだが、やっぱりはっきり言うことは出来ないでいる。
「あなただって萌えたいでしょう? 昔、抱いた女がこうやって戻ってきたのよ。」 「あ、ああ。 まあそうだけど、、、。」
「煮えない人ねえ。 はっきりおっしゃって。 旦那様。」 何処から見ても淫らに装った康子が膝まづいて懇願してくる。
それを見ていた俺も我慢できなくなって彼女を膝の上に抱き上げた。 「本気になってくれたのね? 嬉しいわ。」
バスローブの前は開けたままだから容赦なく胸が迫ってくる。 (こんなに色っぽかったのか?)
荒い息を弾ませながら口付けをせがんでくる。 なぜもっと愛せなかったのだろうか?
いつか俺たちは布団の中で絡み合っていた。 そう、尚子よりも激しく熱くね。
真夜中、寝入っている康子の顔を見ながらふと思った。 (俺はまだ康子を愛していたのか。」と。
外は今夜も静かである。 あの頃と同じように何処かで飼い犬が吠えている。
時々、風が何かを揺らしながら吹いていく。 平和な町だ。
その静かな空気の中で康子は安心したように寝息を立てている。 「もう一度やり直してもいいかな。」
俺はボソッと呟いてみた。 「うーーーーん。」
康子の寝言にギクッとするけれど、何だか妙に満たされた気分になっている。
だったら尚子はどうするんだ? 抱くだけ抱いて捨てるわけにもいかないだろう。
今はウィークリーワイフだなんて言ってるけれど、いつまでもそれでいいはずはない。
どちらかに決めなければ二人の女を不幸に突き落とすことになる。 それでなくても尚子は、、、。
俺の頭の中は二人の女のことでいっぱいになってしまった。
翌日は日曜日。 尚子は夜遅くに帰ってくるという。
それまでに康子も帰る予定である。 今は朝、、、。
布団の中で康子は素っ裸のままで寝入っている。 時々寝返りを打つのだが、それがなぜか色っぽく見えてしまう。
見ていると我慢できなくなるから自分を殺して居間に居る。 されどやっぱり何かが気になるらしい。
何気なく襖を開けて寝室を覗いてみる。 そしてまた椅子に座る。
でも数分おきに襖を開けては溜息を吐く。 何度か繰り返しているうちにとうとう我慢できなくなって康子を抱いてしまった。
「おはよう。 やっぱり抱いてくれてたのね? 感じてたわよ。 あなたが求めてくるのを。」 「ごめんごめん。」
「謝ることなんて無いわよ。 あなただって欲しかったんでしょうから。 それにね、、、。」 「何?」
「布団の下に隠してあったわ。 尚子さんって人の手紙が。」 「手紙?」
「うん。 「前妻さんが安心して戻って来れればいいな。」って書いてあったわ。」 「あいつがそんなことを?」
「どうなんだろう? あの人だって本気だと思うわよ。 じゃなかったら抱かせたりしないもの。 でもたぶん、あの人はずっとあなたに付いていたいって思ってるわね。」 「なんで?」
「あなたが何かで困ることが起きたら力になりたい。」って続けてたから。」 「そうなのか。」
「羨ましいわねえ。 二人の女を虜にするなんて、、、。 私には出来ないわ。」 「そんなこと無いだろうよ。」
「私にはそんな魅力なんて無いもの。 仕事出来るだけで。」 「いいじゃないか それでも。」
「でもいいのよ。 こうしてあなたの女に成れたんだから。」 康子はそこまで言うと熱いコーヒーを飲んだ。
「昼からどうするの?」 「予定は無いよ。」
「じゃあさあ、散歩しない? 前みたいに。」 「いいねえ。」
ってなわけで俺と康子は昼から散歩することにした。 何年ぶりだろうねえ?
なんか康子は嬉しそうだ。 公園の芝生でのんびりと空を見詰めるのが好きだったからね。
昼食を済ませた俺たちはお互いにラフな格好をして玄関に立った。
「働いている時とは違うわねえ。」 「分かるのか?」
「そりゃあ奥さんだったんだもん。 分かるわよ。」 久しぶりに腕を組んでみる。
あの頃はロングだった康子の髪もさっぱりとショートヘアになっている。
「そのほうが合ってるぞ。」 「そう? 珍しいわねえ。 髪を褒めてくれるなんて、、、。」
「そりゃあねえ、たまには。」 「たまには、、、か。 毎日褒めてほしいわねえ。」
「そんなものなのか?」 「あらやだ。 女心を分かってないのねえ。 あなたって。」
(今頃気付いたの?」 「前から分かってたけどねえ。」
くだらない話をしながら二人でよく行った公園へ、、、。
「あらまあ、ここも変わってないのねえ。」 「そりゃそうさ。 ここいらは年寄りしか居ないんだ。 変わりようが無いよ。」
誰もがシルバー団地と呼んでいる団地群の傍にやってきた。
馴染みの年寄りたちが外で話をしている。 猫がじゃれついている。
「変わってないのねえ。 懐かしいわーーー。」 康子は芝生に腰を下ろした。
座っている康子を見ながら俺は昨夜のことを思い出していた。
「あなたに抱かれて燃え尽きるまで燃えたいわ。 奪い尽くしていいのよ。 あなたの物だから。」 全てを曝け出した彼女は夢を見ているようだった。