二人でお酒を飲みたいね。

遺書

          田村静江 記
 私は主人と共に田村を支えてきました。
問題が何も無ければ私はそのままで静かに生きるつもりでした。
 ですが、歴代の管理部長をはじめ取締役の中に我慢ならぬ人たちが居ます。
 私がこの世を去る前に全ての真実をここに記しておきます。
 いずれ、この遺書は日を見ることでしょう。

 私は知っています。 歴代の管理部長が男性女性を問わず新入社員に性的暴力を加えていたこと。
しかもそれは単なる無視から始まって部内全体での虐めになってしまったことを。
 そして取締役の数人は毎晩のように秘書室の女子社員を食い物にしていました。
 それだけではなく、自身が関係を持った社員を使って管理部での虐めをエスカレートさせていたのです。
さらにはレイプがばれそうになると大金を払って口封じをし、さらに政治家や大企業の社長などを使ってお見合いを強要したのです。
 大半の女子社員はそれを受け入れ、会社を去りました。
受け入れなかった女子社員は風俗店へ高値で売り飛ばされたと聞いています。
 私はこの中で数人を匿名で告発しました。
そのために数多くの嫌がらせも受けました。
 ですが、もう私も限界です。 会社のことは後の人たちにお任せして世を去ります。
身勝手だと憤慨される方もいらっしゃるでしょう。
情けないと思われる方もいらっしゃるでしょう。
 ですが私は決断したのです。 ここに全てを書き残しておきます。
心有る社員の方々が田村を新しく生まれ変わらせる日のために。
          2013,7,14
          詳述 略
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