二人でお酒を飲みたいね。
夕食を食べながら今後について尚子と話そうと思っている。 ところが、、、。
「私さあ、セフレでもいいかと思ってるんです。」と尚子が切り出してきた。
「え? セフレ?」 「高木さんも一人じゃ寂しいでしょう?」
「そりゃそうだけどさ、、、。」 「だったら時々お相手をさせてください。」
「いやいや、飲むのはいいけどセフレなんて、、、。」 「怖いですか?」
「怖いとかそういうんじゃなくてだね、、、。」 「真面目なんですね。 高木さんって。」
「尚子ちゃんの気持ちは嬉しいけど。」 「だったらお願いします。 私の一つだけの我儘を聞いてください。」
俺は煮物を食べながら考え込んでしまった。 康子だっていつ電話をしてくるか分からない。
「また飲みましょうね。」って言ってたからね。 それに、、、。
「独身同士いいじゃないですか。 誰も文句は言わないと思いますよ。」 「だけど、、、。」
そうは言うものの、今夜もだいぶ遅くなってしまった。 「明日は早めに部屋に帰って用意してきます。 その分、今夜も高木さんに甘えたいわ。」
うっとりするような尚子の笑顔を見ていると心が燃えてしまう。 10時を過ぎて俺たちは昨夜と同じように布団に潜り込んだ。
翌朝、尚子は5時過ぎに部屋を出て行った。 どうやら俺が寝ている間にタクシーを呼んだらしい。
いつものように目覚めるとテーブルには置手紙が置いてあった。
『高木さんと一夜を共に出来て嬉しかったわ。 迷惑でなかったら時々お邪魔しますね。
その時はまた私を思い切り萌えさせてください。
ご飯と味噌汁を作っておきました。 食べてくださいね。
尚子。』
(意地らしい女だな。 こんなおっさんに萌えるなんて、、、。)
用意されていたご飯と味噌汁を食べながら俺は尚子の裸を思い出した。 裸を見るのも4年ぶりだ。
年甲斐も無く燃えてしまった俺もどうかしてるよな。 嫁さんが居ないから不倫なんかではないけれど。
セフレ、セフレ、尚子が言った言葉が脳裏をかすめていく。 いくらなんでもそれは、、、。
これまで俺は道を踏み外したことなど無かった。 どれが正しい道なのかは分からないが。
それでもやっぱりセフレだけは、、、。 心の中で俺はもがいていた。
社に行ってみると廊下で尚子と会ってしまった。 「おはようございまあす。」
「あ、あ、あ、あ、おはよう。」 「何緊張してるんですか?」
「いやいや、、、。」 はにかんだような尚子の笑顔を見ると罪悪感が先に立ってしまうのだ。
「ふつうにしててくださいよ。」 ニコッと笑う尚子を真正面から見れない自分が居る。
「お部屋でのことは秘密ですから、、、。」 誰にも聞こえないように尚子は耳元で囁いた。
二度三度頷いてから俺は部屋に入る。 心臓が高鳴っているのが分かる。
尚子は言っていた。 「話したい時にはメールしますね。」
そう、夕べに俺のスマホを教えておいたのだ。
高鳴る胸を抑えながらパソコンを開く。 今日もメールはたくさん来ている。
部屋は静かなもんだ。 あんまり静かだと君が悪いからYouTubeから気に入った音楽を拾ってはいるが、、、。
午前中の仕事が終わった頃、スマホが鳴った。 見るとメールである。
『お昼、一緒に食べましょう。』
尚子である。 断る理由も無いから返信して外へ出た。
スーツ姿の尚子と並んで歩く。 行先はファミレスだ。
「たまにはこっちもいいかと思ってチョイスしました。」 嬉しそうだ。
ドアを開けて中へ入る。 こっちは会社の連中がそう来ないから安心して話も出来るんだって。
女らしい気遣いだね。 俺はホッとした。
「何食べますか?」 「そうだなあ、パスタにしようかな。」
「じゃあ、ボンゴレなんてどうですか?」 「いいねえ。 そうしようか。」
ウェイトレスが水を運んできた。 「ご注文はお決まりですか?」
「えっと、、、ボンゴレを二つ。」 「畏まりました。」
改めて向き合ってみる。 可愛い女だ。
これまでそれほどでもないと思っていたのに、無性に愛しく思えてくる。 抱きの功名か?
「高木さん、やっぱり私は高木さんが好きです。」 思わず俺は水を吹きそうになった。
「何驚いてるんですか?」 「いや、別に。」
幸せそうな顔で見詰められたら何手言えばいいのか分からない。 黙って水を飲んでいると、、、。
「昨日ね、感じたんですよ。 愛されるってこういうことなのかなって。」 「愛される?」
「うん。 今まで彼氏も居なかったからかもしれないけど、感じちゃったんです。 骨の髄まで奪い尽くされたいって。」 「そんな大げさな、、、。」
「いいえ。 自然なことだと思いますよ。 男と女が絡み合って燃え尽きるまで燃えるのって、、、。」 「そうかなあ?」
「奥さん いらっしゃったんでしょう? 感じたこと無いですか?」 胸の奥を覗いているような尚子の眼、、、。
俺は現実に戻された気がした。
確かに俺は康子を愛していた。 でも骨の髄まで奪いたいと思っただろうか?
そして康子は奪い尽くされたいと思っていただろうか? それは分からない。
なんとなく好き同士でなんとなく結婚して一緒に暮らしていた。 それだけではなかったのだろうか?
だからこそ尚子の一言が深く胸を抉るのである。 怖いと思った。
愛するとはそういうことなのか? ならば俺は、、、。
「私さあ、セフレでもいいかと思ってるんです。」と尚子が切り出してきた。
「え? セフレ?」 「高木さんも一人じゃ寂しいでしょう?」
「そりゃそうだけどさ、、、。」 「だったら時々お相手をさせてください。」
「いやいや、飲むのはいいけどセフレなんて、、、。」 「怖いですか?」
「怖いとかそういうんじゃなくてだね、、、。」 「真面目なんですね。 高木さんって。」
「尚子ちゃんの気持ちは嬉しいけど。」 「だったらお願いします。 私の一つだけの我儘を聞いてください。」
俺は煮物を食べながら考え込んでしまった。 康子だっていつ電話をしてくるか分からない。
「また飲みましょうね。」って言ってたからね。 それに、、、。
「独身同士いいじゃないですか。 誰も文句は言わないと思いますよ。」 「だけど、、、。」
そうは言うものの、今夜もだいぶ遅くなってしまった。 「明日は早めに部屋に帰って用意してきます。 その分、今夜も高木さんに甘えたいわ。」
うっとりするような尚子の笑顔を見ていると心が燃えてしまう。 10時を過ぎて俺たちは昨夜と同じように布団に潜り込んだ。
翌朝、尚子は5時過ぎに部屋を出て行った。 どうやら俺が寝ている間にタクシーを呼んだらしい。
いつものように目覚めるとテーブルには置手紙が置いてあった。
『高木さんと一夜を共に出来て嬉しかったわ。 迷惑でなかったら時々お邪魔しますね。
その時はまた私を思い切り萌えさせてください。
ご飯と味噌汁を作っておきました。 食べてくださいね。
尚子。』
(意地らしい女だな。 こんなおっさんに萌えるなんて、、、。)
用意されていたご飯と味噌汁を食べながら俺は尚子の裸を思い出した。 裸を見るのも4年ぶりだ。
年甲斐も無く燃えてしまった俺もどうかしてるよな。 嫁さんが居ないから不倫なんかではないけれど。
セフレ、セフレ、尚子が言った言葉が脳裏をかすめていく。 いくらなんでもそれは、、、。
これまで俺は道を踏み外したことなど無かった。 どれが正しい道なのかは分からないが。
それでもやっぱりセフレだけは、、、。 心の中で俺はもがいていた。
社に行ってみると廊下で尚子と会ってしまった。 「おはようございまあす。」
「あ、あ、あ、あ、おはよう。」 「何緊張してるんですか?」
「いやいや、、、。」 はにかんだような尚子の笑顔を見ると罪悪感が先に立ってしまうのだ。
「ふつうにしててくださいよ。」 ニコッと笑う尚子を真正面から見れない自分が居る。
「お部屋でのことは秘密ですから、、、。」 誰にも聞こえないように尚子は耳元で囁いた。
二度三度頷いてから俺は部屋に入る。 心臓が高鳴っているのが分かる。
尚子は言っていた。 「話したい時にはメールしますね。」
そう、夕べに俺のスマホを教えておいたのだ。
高鳴る胸を抑えながらパソコンを開く。 今日もメールはたくさん来ている。
部屋は静かなもんだ。 あんまり静かだと君が悪いからYouTubeから気に入った音楽を拾ってはいるが、、、。
午前中の仕事が終わった頃、スマホが鳴った。 見るとメールである。
『お昼、一緒に食べましょう。』
尚子である。 断る理由も無いから返信して外へ出た。
スーツ姿の尚子と並んで歩く。 行先はファミレスだ。
「たまにはこっちもいいかと思ってチョイスしました。」 嬉しそうだ。
ドアを開けて中へ入る。 こっちは会社の連中がそう来ないから安心して話も出来るんだって。
女らしい気遣いだね。 俺はホッとした。
「何食べますか?」 「そうだなあ、パスタにしようかな。」
「じゃあ、ボンゴレなんてどうですか?」 「いいねえ。 そうしようか。」
ウェイトレスが水を運んできた。 「ご注文はお決まりですか?」
「えっと、、、ボンゴレを二つ。」 「畏まりました。」
改めて向き合ってみる。 可愛い女だ。
これまでそれほどでもないと思っていたのに、無性に愛しく思えてくる。 抱きの功名か?
「高木さん、やっぱり私は高木さんが好きです。」 思わず俺は水を吹きそうになった。
「何驚いてるんですか?」 「いや、別に。」
幸せそうな顔で見詰められたら何手言えばいいのか分からない。 黙って水を飲んでいると、、、。
「昨日ね、感じたんですよ。 愛されるってこういうことなのかなって。」 「愛される?」
「うん。 今まで彼氏も居なかったからかもしれないけど、感じちゃったんです。 骨の髄まで奪い尽くされたいって。」 「そんな大げさな、、、。」
「いいえ。 自然なことだと思いますよ。 男と女が絡み合って燃え尽きるまで燃えるのって、、、。」 「そうかなあ?」
「奥さん いらっしゃったんでしょう? 感じたこと無いですか?」 胸の奥を覗いているような尚子の眼、、、。
俺は現実に戻された気がした。
確かに俺は康子を愛していた。 でも骨の髄まで奪いたいと思っただろうか?
そして康子は奪い尽くされたいと思っていただろうか? それは分からない。
なんとなく好き同士でなんとなく結婚して一緒に暮らしていた。 それだけではなかったのだろうか?
だからこそ尚子の一言が深く胸を抉るのである。 怖いと思った。
愛するとはそういうことなのか? ならば俺は、、、。