溶けた恋
10
待ち合わせは、新大久保駅だった。
何とも、JKと一緒に韓国料理を食べて、流行の波にしっかり乗っておきたいとか。
もう何とでも言ってくれ。私は梓馬さんと一緒なら何かどこでも楽しいって思える気がするし、どこでも良いからさ…。…。
ニヤつきながら改札を出ると、愛しの彼が「よっ」と手を振ってきた。
私は果たして彼女なのか、友人なのか、良くわからないけど、とりあえず「よっ」と手を振り返す。
土曜日夕方の新大久保は、韓国料理のにおいと人混みの熱気で、蒸し返している。
手をつないだら、汗ばんでいて気持ち悪いかな…。何て考えてたら、「冬子が迷子にならないように」とか言って、しっかり手を繋いでくれた。
お互いに少し汗ばんだ手を、絡めなおした。
「え、これ何…?きもっっ」
冬子が足をとめたのは、「サンナッチ」という、タコの踊り食いの看板だった。
「しらんと?有名なやつやん。オレ何回か食べたことあるわー。うまいよ。行ってみる??」
「うん…!」
おそるおそる店内に入ると、店はほぼ満席だ。本当に「サンナッチ」は人気らしい。
注文して10分ほどで、冬子の前には足?手?を精一杯動かして悶える活蛸があらわれた。
「えぇーー!なんて可哀想なの!食べれるわけない!!」
「オマエ、何か嬉しそうやな。。」
梓馬の冷たい視線をよそに、冬子はタコの足を舐めるように見つめ、一通り動画におさめた。
「レモンをかけると、もっと動きますよ」
はしゃぐ冬子を微笑ましそうに見つめて、店員が説明してくれた。
「そうなんですか!!梓馬さん、酸っぱいの平気?かけてもいいかなぁ?」
冬子が興奮気味に梓馬に尋ねる。
「全然大丈夫。好きにせぇ…」
梓馬が応え終わる前に、冬子はとどめを刺すかのごとく、ビンのレモン汁を1/3ほどどばどばとタコにまき散らす。
タコ達が苦しむかのように、手足をニョロニョロと動かす様子を見て
「あっはっはっ…!!」
邪悪に笑う冬子に対し梓馬は
この子を舐めたら痛い目にあいそうやなぁ…。と察した。
「ああ〜お腹いっぱい!梓馬さん、ご馳走さまでした!美味しかったぁ〜。」
ご機嫌でニコニコな冬子と、もっと一緒にいたいなぁなんて、梓馬は考えてしまう。
いやいや、流石にJKはあかんか、、うーんでも、いいのかな??
なんて一人悶えていると、冬子は梓馬の目を見つめ、「何か今日の梓馬さん大人しいね〜」と冷やかしてきた。
「いやいや、オマエが可愛いからな、心が締めつけられとったんや…。」
梓馬は真剣な顔で冬子を見つめた。
「ちょっと、、何なのもーー。」
冬子はそんな事真顔で言われて、茶化す気にもなれなくて、下を向いて地面の砂などを観察して誤魔化そうとするが、何も気は紛れなかった。
この勢いで聞いてしまえと思い、冬子は勇気を出した。
「私ってさ、梓馬さんの、か、彼女なのかなぁ…。」
ちらっと上目遣いで梓馬を見ると
少し意地悪そうに微笑した梓馬は
「まぁね…、やることやってから考える…?」
と、親指でラブボ街を差し、軽いノリのキメ顔で冬子に聞いてきた。
や、や、やっぱり、梓馬さんは遊び人だ…。
そんな気はしてたし、むしろ見た目からしてそうだよね??そんなんじゃないわけがないよね?
ユーチューバーって遊び人が多そうだし、チャラいしさぁ。
ええと私は、、経験、もちろん無いし、むしろ昨日お風呂入ってないから!あ、お風呂入ってない!絶対に無理!無理!
「ヤダ、無理…」
梓馬は即答で全否定され、少しだけしゅんとしている。
「あー、いきなり、そうだよね、ゴメン、ゴメンね…」
「ええと、、昨日お風呂、入ってないから…」
良くわからない罪悪感から、申し訳無さそうに梓馬の左腕にしがみつくと、梓馬はがばっと冬子に抱きついた。
「お風呂、、あるけん、オレ気にしないけど?」
と再チャレンジを試みたあと、冬子の髪に顔を埋めスンスンと鼻をすすると、
「しかも全然臭くないやん。」と言い、まるで犬みたいに冬子に顔を近づけてきて、そのまま唇を重ねてきた。
何回も何回も。
梓馬からキスされる度に、冬子の心の歪んで重くて黒いものを、全部食べられてしまうような感覚に陥った。そして、暖かくて優しい気持ちで胸がいっぱいになるから、冬子も夢中でキスに応えた。
何とも、JKと一緒に韓国料理を食べて、流行の波にしっかり乗っておきたいとか。
もう何とでも言ってくれ。私は梓馬さんと一緒なら何かどこでも楽しいって思える気がするし、どこでも良いからさ…。…。
ニヤつきながら改札を出ると、愛しの彼が「よっ」と手を振ってきた。
私は果たして彼女なのか、友人なのか、良くわからないけど、とりあえず「よっ」と手を振り返す。
土曜日夕方の新大久保は、韓国料理のにおいと人混みの熱気で、蒸し返している。
手をつないだら、汗ばんでいて気持ち悪いかな…。何て考えてたら、「冬子が迷子にならないように」とか言って、しっかり手を繋いでくれた。
お互いに少し汗ばんだ手を、絡めなおした。
「え、これ何…?きもっっ」
冬子が足をとめたのは、「サンナッチ」という、タコの踊り食いの看板だった。
「しらんと?有名なやつやん。オレ何回か食べたことあるわー。うまいよ。行ってみる??」
「うん…!」
おそるおそる店内に入ると、店はほぼ満席だ。本当に「サンナッチ」は人気らしい。
注文して10分ほどで、冬子の前には足?手?を精一杯動かして悶える活蛸があらわれた。
「えぇーー!なんて可哀想なの!食べれるわけない!!」
「オマエ、何か嬉しそうやな。。」
梓馬の冷たい視線をよそに、冬子はタコの足を舐めるように見つめ、一通り動画におさめた。
「レモンをかけると、もっと動きますよ」
はしゃぐ冬子を微笑ましそうに見つめて、店員が説明してくれた。
「そうなんですか!!梓馬さん、酸っぱいの平気?かけてもいいかなぁ?」
冬子が興奮気味に梓馬に尋ねる。
「全然大丈夫。好きにせぇ…」
梓馬が応え終わる前に、冬子はとどめを刺すかのごとく、ビンのレモン汁を1/3ほどどばどばとタコにまき散らす。
タコ達が苦しむかのように、手足をニョロニョロと動かす様子を見て
「あっはっはっ…!!」
邪悪に笑う冬子に対し梓馬は
この子を舐めたら痛い目にあいそうやなぁ…。と察した。
「ああ〜お腹いっぱい!梓馬さん、ご馳走さまでした!美味しかったぁ〜。」
ご機嫌でニコニコな冬子と、もっと一緒にいたいなぁなんて、梓馬は考えてしまう。
いやいや、流石にJKはあかんか、、うーんでも、いいのかな??
なんて一人悶えていると、冬子は梓馬の目を見つめ、「何か今日の梓馬さん大人しいね〜」と冷やかしてきた。
「いやいや、オマエが可愛いからな、心が締めつけられとったんや…。」
梓馬は真剣な顔で冬子を見つめた。
「ちょっと、、何なのもーー。」
冬子はそんな事真顔で言われて、茶化す気にもなれなくて、下を向いて地面の砂などを観察して誤魔化そうとするが、何も気は紛れなかった。
この勢いで聞いてしまえと思い、冬子は勇気を出した。
「私ってさ、梓馬さんの、か、彼女なのかなぁ…。」
ちらっと上目遣いで梓馬を見ると
少し意地悪そうに微笑した梓馬は
「まぁね…、やることやってから考える…?」
と、親指でラブボ街を差し、軽いノリのキメ顔で冬子に聞いてきた。
や、や、やっぱり、梓馬さんは遊び人だ…。
そんな気はしてたし、むしろ見た目からしてそうだよね??そんなんじゃないわけがないよね?
ユーチューバーって遊び人が多そうだし、チャラいしさぁ。
ええと私は、、経験、もちろん無いし、むしろ昨日お風呂入ってないから!あ、お風呂入ってない!絶対に無理!無理!
「ヤダ、無理…」
梓馬は即答で全否定され、少しだけしゅんとしている。
「あー、いきなり、そうだよね、ゴメン、ゴメンね…」
「ええと、、昨日お風呂、入ってないから…」
良くわからない罪悪感から、申し訳無さそうに梓馬の左腕にしがみつくと、梓馬はがばっと冬子に抱きついた。
「お風呂、、あるけん、オレ気にしないけど?」
と再チャレンジを試みたあと、冬子の髪に顔を埋めスンスンと鼻をすすると、
「しかも全然臭くないやん。」と言い、まるで犬みたいに冬子に顔を近づけてきて、そのまま唇を重ねてきた。
何回も何回も。
梓馬からキスされる度に、冬子の心の歪んで重くて黒いものを、全部食べられてしまうような感覚に陥った。そして、暖かくて優しい気持ちで胸がいっぱいになるから、冬子も夢中でキスに応えた。