溶けた恋
15
いびきを立てて熟睡する梓馬をようやく個室に連れ込み、横に寝かせ、シャツのボタンなんかを緩めてあげた。
昔父親にやってあげたように。
ふう〜。
さて梓馬さん、もうすでにあなたは私の手中に収まったんだからね!
冬子は梓馬の横にコロンと横になると、寝顔を見つめる。
「可愛いなぁ〜♡」と呟き、頬にキスをした。冬子は梓馬に抱きついた。
今この瞬間、梓馬を一人占めしている状況が嬉しくてたまらない。
このままカスタマの部屋に梓馬の事を閉じ込めてしまいたいと、本気で考えた。
梓馬の体温をしっかりと感じた冬子は、安堵感とともにやってきた眠気に身を任せ、久々に幸せな気持ちいっぱいで眠りについた。
「冬子、…冬子!!」
身体を揺さぶられながら、冬子は急かすように起こされた。
「ん〜梓馬さん、、おはよー」
冬子は、どの辺りから記憶を飛ばしているのかは分からないが、状況を把握できていない梓馬を見て、思わず口元が緩むのを隠した。
「え、、オレらって昨日、その、、やっちゃった?ここで?」
梓馬はいつも直球だ。
「うーん、言いたくない…。」
下を向いてしらばっくれる冬子を見て、梓馬は肩を落とした。
「そんなぁ~、全然記憶無いし、しかもネカフェだなんて…、そんなのオレは認めんぞ…!」
と愕然と肩を落とし、一人で色々喋っている。
梓馬さんっておもしろ。
「もう、冗談だよ。昨日、ホスト企画最終日だったんでしょ?何か終わった後、梓馬さんカスタマの下にストーカーみたいに現れて、、そのままちょっと話して爆睡!」
「マジで?オレめっちゃキモい奴やん…」
「うん、ラインみてみてよ。文章もキモすぎるから。」
「うわ〜〜きっっしょ!こんなん…無理やわ…」
梓馬は自分で書いた文章を見ながら、目を丸くして身震いした。
「そーいえば冬子、家にかえっとぅけんね、大丈夫やったん?」
思い出したように梓馬が尋ねた。
「うーん、実はね…」
冬子は、母親のストレスの事、父親のことなど、梓馬に聞いてほしかった事を話した。
「誤爆ラインかぁー、きっつ…。お父さん、ちょっとエグいとね。それは多分…、飲み屋の女や。そんな気がしよる。うん。
お母さんは何も知らんと?」
「知らないかどうかすら分からない。うちは仮面家族なの。」
冬子は梓馬の胸の中にもたれかかる。
もたれてきた冬子を後ろから抱きしめながら、梓馬は呟いた。
「うちの親父も、しょっちゅう浮気しとったよ。一回母ちゃんが激怒して親父の腹を包丁でぶっ刺してな、親父、救急車で呼ばれたことあるけん。あの記憶だけは鮮明やわぁ〜。」
とんでもない事をひょうひょうと話す梓馬に、冬子は唖然とした。
やっぱり、梓馬さんは何かが違う。。
「しかも、オレがハタチんとき飲み屋でお気に入りやった女の子がおって、なんと、その子、親父も指名してた子やってん。それもまたビビったねぇ。」
何か話がめちゃくちゃ脱線してきてる。
「ま、何にせよ、お母さんは無事で良かったよ。たまには帰りぃよ?」
「嫌だ。。私の居場所は、ここしかない。梓馬さんの隣にずっと居たいよ…。」
クルッと梓馬と向い合せになり、彼の胸にギューっと顔を押し付けると、梓馬は冬子のほっぺたを両手ではさみ、
「そんなにくっついて来られたら襲っちゃうんですけど?」と言うと、スゥエット姿の冬子の腰のあたりに手を添えた。
「いいよ。私、梓馬さんとしたいって思うから」
冬子は、梓馬をまっすぐ見つめた。
梓馬は、ゴクリと唾を飲み込む。
「…流石に、カスタマはやめとこ。オレ、ネカフェでするの嫌いやけん。」
ネカフェでの経験がある事を誤爆した。
昔父親にやってあげたように。
ふう〜。
さて梓馬さん、もうすでにあなたは私の手中に収まったんだからね!
冬子は梓馬の横にコロンと横になると、寝顔を見つめる。
「可愛いなぁ〜♡」と呟き、頬にキスをした。冬子は梓馬に抱きついた。
今この瞬間、梓馬を一人占めしている状況が嬉しくてたまらない。
このままカスタマの部屋に梓馬の事を閉じ込めてしまいたいと、本気で考えた。
梓馬の体温をしっかりと感じた冬子は、安堵感とともにやってきた眠気に身を任せ、久々に幸せな気持ちいっぱいで眠りについた。
「冬子、…冬子!!」
身体を揺さぶられながら、冬子は急かすように起こされた。
「ん〜梓馬さん、、おはよー」
冬子は、どの辺りから記憶を飛ばしているのかは分からないが、状況を把握できていない梓馬を見て、思わず口元が緩むのを隠した。
「え、、オレらって昨日、その、、やっちゃった?ここで?」
梓馬はいつも直球だ。
「うーん、言いたくない…。」
下を向いてしらばっくれる冬子を見て、梓馬は肩を落とした。
「そんなぁ~、全然記憶無いし、しかもネカフェだなんて…、そんなのオレは認めんぞ…!」
と愕然と肩を落とし、一人で色々喋っている。
梓馬さんっておもしろ。
「もう、冗談だよ。昨日、ホスト企画最終日だったんでしょ?何か終わった後、梓馬さんカスタマの下にストーカーみたいに現れて、、そのままちょっと話して爆睡!」
「マジで?オレめっちゃキモい奴やん…」
「うん、ラインみてみてよ。文章もキモすぎるから。」
「うわ〜〜きっっしょ!こんなん…無理やわ…」
梓馬は自分で書いた文章を見ながら、目を丸くして身震いした。
「そーいえば冬子、家にかえっとぅけんね、大丈夫やったん?」
思い出したように梓馬が尋ねた。
「うーん、実はね…」
冬子は、母親のストレスの事、父親のことなど、梓馬に聞いてほしかった事を話した。
「誤爆ラインかぁー、きっつ…。お父さん、ちょっとエグいとね。それは多分…、飲み屋の女や。そんな気がしよる。うん。
お母さんは何も知らんと?」
「知らないかどうかすら分からない。うちは仮面家族なの。」
冬子は梓馬の胸の中にもたれかかる。
もたれてきた冬子を後ろから抱きしめながら、梓馬は呟いた。
「うちの親父も、しょっちゅう浮気しとったよ。一回母ちゃんが激怒して親父の腹を包丁でぶっ刺してな、親父、救急車で呼ばれたことあるけん。あの記憶だけは鮮明やわぁ〜。」
とんでもない事をひょうひょうと話す梓馬に、冬子は唖然とした。
やっぱり、梓馬さんは何かが違う。。
「しかも、オレがハタチんとき飲み屋でお気に入りやった女の子がおって、なんと、その子、親父も指名してた子やってん。それもまたビビったねぇ。」
何か話がめちゃくちゃ脱線してきてる。
「ま、何にせよ、お母さんは無事で良かったよ。たまには帰りぃよ?」
「嫌だ。。私の居場所は、ここしかない。梓馬さんの隣にずっと居たいよ…。」
クルッと梓馬と向い合せになり、彼の胸にギューっと顔を押し付けると、梓馬は冬子のほっぺたを両手ではさみ、
「そんなにくっついて来られたら襲っちゃうんですけど?」と言うと、スゥエット姿の冬子の腰のあたりに手を添えた。
「いいよ。私、梓馬さんとしたいって思うから」
冬子は、梓馬をまっすぐ見つめた。
梓馬は、ゴクリと唾を飲み込む。
「…流石に、カスタマはやめとこ。オレ、ネカフェでするの嫌いやけん。」
ネカフェでの経験がある事を誤爆した。