溶けた恋
9
「え〜、トーコ、あなたって子はいつの間にそんなことに…!」
リンネは目を丸くして冬子の頭をかきむしる。
「えへへ〜まぁね…、初めは印象良くなかったけどね、何か話すたびに優しくて、一日一緒に居て、気付いたらめっちゃ好きになっちゃったよ。。」
「わぁ〜、何か聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるー!まあ、でも何か梓馬さんの事気にしてんなとは思ってたけどね。ふふっ。良かったね。これでうちら彼氏持ちね!!」
…。ん?確かに私、梓馬さんから「好き」って言われたけど、これって付き合ってるのかな??
交際経験の無い冬子には、その概念が良く分からなかった。
「ねぇねぇリンネ、特に『付き合う』とかいう話はしてないんだけど、梓馬さんって彼氏なのかな?」
「…あ〜、、それね。それそれ、よく悩むやつだよ。もうね、本人に聞くか、自分で割り切るしかないよ。男ってたまにそーいうのちゃんとしたがらない輩がいるからさぁ。
うーん、梓馬さんね、、そういうタイプかもね…。」
リンネは苦笑した。「ちょっと彼を知るために動画みちゃう?」
梓馬をリーダーとする、ユーチューバー「エイトビート」は、危険な場所に潜入取材するなどの、ドキュメンタリー風の動画が最近注目されてきており、現在登録者数が10万人弱、2年くらい前から活動している、伸びしろの若手ユーチューバーだった。
メンバー内には冬子(母親)が目指す有名大学に在学中
のメンバーもいたりして、派手な外見の割には知的な印象も受けた。
そこに梓馬の痛快な個性が融合し、グループとして注目されている感じだった。
「あ、この前のめっちゃ綺麗な人出てるよ!」
何と、この前ホストクラブlibertaで見かけた美女が動画としてアップされていたのだ。
サムネイルには、美しい那倉レイラと変顔する梓馬が楽しそうにツーショットで写っていて、一瞬心が苦しくなった。
「見ちゃう??」
「うん…!」
トー横の広場で丸まりながら、2人は酒など飲まずにスマホに食いついた。
「ハイ、今日の企画はですねぇ、現役セクシー女優の家にお邪魔しちゃいます!!わーー!楽しみぃ!」
梓馬がハイテンションで企画の紹介を行う。
隣では美しい那倉レイラが笑顔で手をふっている。
げ…、見たくない。絶対にこの2人イチャつくやつやん。
動画の流れを察したリンネと冬子は、顔を見合わせゴクリと唾を飲み込み、一旦動画をストップする。
「これの打ち上げでliberta飲みにきてたんだぁ…。」
「梓馬さんと、このレイラって人、腕くんでたもんねぇ。。」
「ごめん、リンネ、もう見る勇気がないわ。。あ〜何か悲しくなってきたぁ。チューハイ買ってくるわ…。」
冬子はとぼとぼと肩を落としコンビニへ向うと、梓馬からラインが鳴った。
「冬子なにしとぅ?歌舞伎町おる?暇なら飯いこーよ!」
わぁぁ、今会いたくないなぁ。。でも会いたいなぁ。
「今トー横いた。ごはん食べたい♡」
はぁぁぁー、結局、私ってこうなんだよ。流された?会いたい?どっちだよー!
自問自答しながらリンネの元に戻る。
「ニヤついて、、梓馬さんから連絡でもあった?」
一瞬で見破られた。
「今からごはん行こーよだってぇ、もー無理なんですけど!!」
「そんな嬉しそうなのに?
フユコ、可愛い〜〜!レイラの事は気にしないで行っといでよ?てか、行くんでしょ?」
リンネの洞察力の高さには敵わないなと思い、冬子は待ち合わせ場所へ向かった。
リンネは目を丸くして冬子の頭をかきむしる。
「えへへ〜まぁね…、初めは印象良くなかったけどね、何か話すたびに優しくて、一日一緒に居て、気付いたらめっちゃ好きになっちゃったよ。。」
「わぁ〜、何か聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるー!まあ、でも何か梓馬さんの事気にしてんなとは思ってたけどね。ふふっ。良かったね。これでうちら彼氏持ちね!!」
…。ん?確かに私、梓馬さんから「好き」って言われたけど、これって付き合ってるのかな??
交際経験の無い冬子には、その概念が良く分からなかった。
「ねぇねぇリンネ、特に『付き合う』とかいう話はしてないんだけど、梓馬さんって彼氏なのかな?」
「…あ〜、、それね。それそれ、よく悩むやつだよ。もうね、本人に聞くか、自分で割り切るしかないよ。男ってたまにそーいうのちゃんとしたがらない輩がいるからさぁ。
うーん、梓馬さんね、、そういうタイプかもね…。」
リンネは苦笑した。「ちょっと彼を知るために動画みちゃう?」
梓馬をリーダーとする、ユーチューバー「エイトビート」は、危険な場所に潜入取材するなどの、ドキュメンタリー風の動画が最近注目されてきており、現在登録者数が10万人弱、2年くらい前から活動している、伸びしろの若手ユーチューバーだった。
メンバー内には冬子(母親)が目指す有名大学に在学中
のメンバーもいたりして、派手な外見の割には知的な印象も受けた。
そこに梓馬の痛快な個性が融合し、グループとして注目されている感じだった。
「あ、この前のめっちゃ綺麗な人出てるよ!」
何と、この前ホストクラブlibertaで見かけた美女が動画としてアップされていたのだ。
サムネイルには、美しい那倉レイラと変顔する梓馬が楽しそうにツーショットで写っていて、一瞬心が苦しくなった。
「見ちゃう??」
「うん…!」
トー横の広場で丸まりながら、2人は酒など飲まずにスマホに食いついた。
「ハイ、今日の企画はですねぇ、現役セクシー女優の家にお邪魔しちゃいます!!わーー!楽しみぃ!」
梓馬がハイテンションで企画の紹介を行う。
隣では美しい那倉レイラが笑顔で手をふっている。
げ…、見たくない。絶対にこの2人イチャつくやつやん。
動画の流れを察したリンネと冬子は、顔を見合わせゴクリと唾を飲み込み、一旦動画をストップする。
「これの打ち上げでliberta飲みにきてたんだぁ…。」
「梓馬さんと、このレイラって人、腕くんでたもんねぇ。。」
「ごめん、リンネ、もう見る勇気がないわ。。あ〜何か悲しくなってきたぁ。チューハイ買ってくるわ…。」
冬子はとぼとぼと肩を落としコンビニへ向うと、梓馬からラインが鳴った。
「冬子なにしとぅ?歌舞伎町おる?暇なら飯いこーよ!」
わぁぁ、今会いたくないなぁ。。でも会いたいなぁ。
「今トー横いた。ごはん食べたい♡」
はぁぁぁー、結局、私ってこうなんだよ。流された?会いたい?どっちだよー!
自問自答しながらリンネの元に戻る。
「ニヤついて、、梓馬さんから連絡でもあった?」
一瞬で見破られた。
「今からごはん行こーよだってぇ、もー無理なんですけど!!」
「そんな嬉しそうなのに?
フユコ、可愛い〜〜!レイラの事は気にしないで行っといでよ?てか、行くんでしょ?」
リンネの洞察力の高さには敵わないなと思い、冬子は待ち合わせ場所へ向かった。