再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
出会いと愛しさ
***
警察庁警備局警備企画課。
それが俺の今の職場だ。
入庁して今年で八年目。階級は警視。課長補佐として日々の業務にあたっている。
――午後八時。
山積みだった書類があと少しで片付きそうなところで内線が入った。パソコンのキーを叩きながら、片手で受話器を取る。
「はい、加賀美」
「お疲れさまです、及川です」
刑事局にいる二期後輩からだ。
「どうした?」
「加賀美先輩、たまには一杯やりませんか」
「……は?」
飲みの誘いか。
内線でかけてくるなよと呆れながら短く息を吐き出す。
「今日か?」
「はい、できれば。加賀美先輩に話しておきたいことがあって」
「なに?」
「電話ではちょっと……。今夜会えませんか」
声のトーンを落とし、及川にしては珍しく真面目な口調で言うのでよほど大事な話なのだろう。
ちらっと時計に目を向ける。
「あと三十分もあれば上がれる。いつもの場所でいいよな」
「了解です。待ってますんで」
内線が切れた。
受話器を戻した俺は残りの書類を片付けるため再びキーボードに手を置いた。