再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「加賀美さん?」


抱き締める腕の中でもぞもぞと動いた千晶ちゃんが俺を見上げる。普段よりも強い抱擁を受けて不思議そうな表情を浮かべていた。

そのマシュマロのように白くて柔らかい頬に手を添えて、そっと唇を重ねる。

一度離してから角度を変えてまた口付ける。唇の隙間から舌を差し込んで絡めると千晶ちゃんから甘い声が漏れた。

それだけでゾクリと体が熱を持つ。


「――千晶」


唇を離してから彼女を持ち上げて抱っこするとソファに向かう。そこに千晶ちゃんを下ろしてから押し倒した。

華奢な体に覆い被さり、再び唇を重ねる。

千晶ちゃんのことがかわいくてたまらない。

初めて会ったあの日から、ずっと……。



――今から七年前、初めて配属された警察署で佐波さんと出会った。

佐波さんは俺たち新人や後輩から質問を受けてもわからないことはなく、なんでも答えてくれるような安心感のあるベテラン。

上司や幹部からも頼りにされていて、周囲から一目置かれている存在だった。

仕事の能力に対して階級が低かったのは出世には興味がなかったからだろう。

頼みますから昇任試験を受けてくださいと、年下の上司にお願いされているところに出くわしたこともあった。

佐波さんは現場に出ているのが好きなのだと思う。階級を上げることだけを考えているやつらよりもよっぽどかっこいい。

俺にとって佐波さんは憧れだ。

自惚れかもしれないが、佐波さんも俺のことを実の息子のようにかわいがってくれていると思っている。


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