再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


昼間のまだ明るい時間帯の駐車場の車内でキスをされて、思わず目を見開く。

もしかしたら誰かに見られたかもしれないと思うと、頬にぶわっと熱が集まるのがわかった。


「英介さん。場所を考えて」

「ははっ、ごめん」


けれど彼はあまり気にしていないようで、いたずらげに微笑んだ。



病室では父がすでに退院の支度を整えて待っていた。

英介さんも一緒に来てくれたことがうれしかったようで、にこにことした笑みで私たちを迎えてくれた。

退院後の通院予定などの説明を受けてから病院をあとにした私たちは駐車場に停めてある英介さんの車に乗り込む。

運転席に英介さん、助手席に私、後部座席には父が座った。


「ありがとう、加賀美くん。わざわざ車を出してくれて」

「いえ、佐波さんの退院日なんですから当然です。きちんと自宅まで送り届けますので」

「よろしく頼むよ」


相変わらず仲が良いふたりの会話にほっこりとする。

車を走らせてしばらくすると自宅のあるマンションに到着。

とっさに周囲を確認してしまうのは以前怪しい男の人がエントランス付近に潜んでいたから。

今日はその姿がない。

というよりもあとをつけられたのはあの日だけのことで、それからはあのときの男の人たちの姿は見ていない。

ますますなにが目的だったのかよくわからない。


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