再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「もしかしてお前たち……そういうことなのか」


父の言葉を受けて英介さんが頭を下げる。


「一ヶ月ほど前から千晶ちゃんとお付き合いさせていただいています」


父が口をぽかんと開けたまま固まってしまった。

そんな父に英介さんはここ最近の出来事をすべて打ち明けるため続きの言葉を口にする。

私が見知らぬ男たちにあとをつけられたこと。彼らに自宅を知られているため、私をひとりにするのを不安に思った英介さんが自宅で私を保護してくれたこと。

それをきっかけに距離が縮まり恋人関係になったこと……。


「なるほど。そんなことがあったのか」


すべてを聞いた父が視線を落としながら頷いた。

しばらくしてからすっと顔を上げて英介さんを見つめる。


「とりあえず、ありがとう加賀美くん。千晶の身の安全を守ろうとしてくれて」

「いえ、当然のことをしたまでです」


英介さんが軽く首を横に振った。

すると父の表情が途端に険しくなる。


「だが、千晶に手を出したのか」


普段よりも低い父の声に空気がぴりっと引き締まる気がした。

英介さんがぴしっと背筋を伸ばす。

一方の私は父の反応が予想と違うことに困惑していた。

英介さんのことを気に入っている父なら交際の報告によろこんでくれると思っていたのに。今の父の様子を見る限りそうではなさそうだ。


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