再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
ソファにどっしりと座り直した父が腕を組み、ラグの上に座る英介さんを鋭い視線で見下ろしている。
やっぱり思っていたのと違う……!
「お父さん。英介さんは私のこと――」
「千晶は黙っていなさい。今は加賀美くんと話をしているんだ」
ぴしゃりと言い返されて口を閉じた。
英介さんに視線を向けると軽く微笑み返される。俺は大丈夫だとそう言われている気がして、この場は彼に任せることにした。
「佐波さん。俺は中途半端な気持ちで千晶ちゃんに手を出したつもりはないです」
父にすっと視線を戻した英介さんが落ち着いた様子で口を開く。
「初めて会ったときから千晶ちゃんに惹かれていました。佐波さんに誘われて自宅を伺わせてもらうたびに千晶ちゃんに会えるのがうれしくて。正直なところ千晶ちゃん目当てで通っていました」
……そうだったんだ。
父とお酒を飲むために自宅を訪れているのだと思っていた英介さんが、実は私に会いに来てくれていた事実を知り、胸がじんわりと熱くなる。
けれど英介さんを見つめる父の視線はやっぱり厳しい。
「つまり加賀美くんはその頃から千晶のことを嫌らしい目で見ていたということか。俺が部屋にいなくて千晶とふたりきりになる時間もあっただろ。まさかあのときから千晶に手を出していたんじゃないだろうな」