再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「そんなことされてないっ」
英介さんを疑うような父の言葉にとうとう我慢ができなくなって叫んだ。
「今日のお父さんおかしいよ。英介さんがそんなことする人じゃないって一番わかっているのはお父さんなのに。どうしてそんなひどいこと言うの」
「千晶ちゃん」
立ち上がって父に詰め寄る私の腕を英介さんが軽く引っ張る。
もう片方の手で自分の隣をぽんぽんと叩いた彼を見て、落ち着きを取り戻した私は大人しくそこに座り直した。
でもやっぱり今日の父の態度はおかしい。
そんなに私と英介さんの交際が気に入らないのだろうか。
このままだと英介さんに食ってかかるようなことばかり言う父のことが嫌いになりそうだ。
頬を膨らませてムッと唇を尖らせる。不機嫌全開の私に気付いた父が一瞬だけ申し訳なさそうな顔を見せた。
けれどすぐに険しい表情に戻り、英介さんに視線を送る。
「加賀美くん。さっき中途半端な気持ちで千晶に手を出していないと言ったが、じゃあどういうつもりで千晶に手を出したんだ」
「もちろん結婚を考えています」
病院へ向かう車内でも英介さんはそう話していた。
「俺は結婚するなら千晶ちゃんしかいないと思っています。なにが起きても俺が守ります。必ず幸せにして、大切にすると約束します。だから千晶ちゃんとの交際を認めてください」
加賀美さんがすっと頭を下げる。隣に座る私も父に頭を下げた。