再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
小さな命とプロポーズ
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最近、千晶の様子がおかしい。
考え事でもしているのかぼんやりとしていることが増えたし、俺と話していても不意に視線を逸らす回数も多い。
彼女が悩み事を抱えていることはすぐにわかった。
加えて最近の千晶は体調も悪そうだ。頻繁にトイレに駆け込んでいく。食欲もあまりなさそうだ。
季節柄暑かったり寒かったりと気温差が激しいので体調を崩すのも無理はない。でも、そうだとしたら早く病院に連れていかなければ。
土曜日の朝。
そんなことを思いながら朝食を終えて、リビングのソファに腰を下ろしてタブレットで新聞を読んでいた。
すると扉が開いて千晶がひょこっと顔を出す。
「英介さん。ちょっと出掛けてくるね。お昼までには戻るから」
それだけ伝えると千晶はパタンと扉を閉めた。廊下を歩くぱたぱたという足音が聞こえる。
いつもなら行先をちゃんと伝えていくのに。
やっぱり様子がおかしい。
タブレットをローテーブルに置いた俺はソファから立ち上がりリビングを出た。
玄関に行くと背中を向けた千晶が立ったまま靴を履いている。背後から彼女に近付き、細い腰に片腕を回して引き寄せた。