再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「仕事が忙しいと帰宅が遅くなる日もあるけど、なるべく家族優先にする。千晶や子供に寂しい思いはさせないから」
「英介さん……」
「他にも不安なことがあるならちゃんと言って。ひとりで抱え込まずに吐き出していいよ。全部受け止めて一緒に解決策を考えるから」
彼はやっぱり優しい。
私なんかにはもったいないほど素敵な人だ。
「英介さん」
彼の腰に腕を回してぎゅっと抱き着く。
英介さんの隣にいればきっと大丈夫。なにも不安になることはない。そう思わせてしまうくらいの包容力が彼にはあるから。
「俺も千晶に話したいことがあるんだけどいいかな」
抱き着いている私の体を英介さんがそっと離した。そして、背中に隠していたものを手に取って私に見せる。
それは正方形の小振りなケース。
この中に入っているものといえばひとつしか思い浮かばない。
英介さんはそれを両手で大切そうに持ち、ゆっくりと蓋を開けた。
「俺と結婚してください」
突然のプロポーズにぶわっと涙が溢れる。
「もっといろいろプロポーズの方法や場所を考えたんだけど、最近の千晶の体調を考えると無理はさせたくなくて。家でごめんな。ムードの欠片もないよな」
困ったように笑う英介さんの言葉に私は首をぶんぶんと大きく横に振った。
方法も場所もなんでもいい。
プロポーズの言葉だけでうれしいのだから。