再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


 *

「――えっ、千晶。そんなに食べて大丈夫?」


仕事のお昼休憩。

夏真っ盛りのこの時期、さすがに外は暑いのでいつもの広場のベンチではなくて社内の休憩室で透子とランチを取っている。

持参したお弁当のおかずと一緒に大きなおにぎりにかぶりつく私を見て透子が心配するように呟いた。


「大丈夫大丈夫。なんだか最近すごくお腹が空くんだよね。ふたり分食べないといけないし」

「それうちの姉が妊娠したときにも言ってたけど、食べ過ぎもあとで体重管理が大変らしいよ」


私の妊娠にいち早く気付いた透子はもちろん知っているが、他に妊娠を伝えているのは営業部でも私と同じ求人情報誌を担当している社員のみ。

他のみんなには安定期に入ってから伝えようと上司と相談して決めたので、立花くんはまだ知らない。

仕事はつわりが辛い時期は休ませてもらう日が多かったけど体調が落ち着いた今は基本的に以前と同じように働けている。無理そうな業務は担当を変えてもらうなど周囲の協力もあるので助かっている。

小さな会社だけど女性が働きやすいよう理解のある職場なのでとてもありがたい。

産休と育休もしっかりとしていて、しばらく休みをもらったあとは復帰するつもりだ。

とはいえ英介さんの仕事は異動もあるので勤務地によっては退職しないといけないけれど。


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