再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
不審に感じて、その後は必要な食材を素早くカゴに入れた。会計を済ませてスーパーの外に出る。
自宅へ向かう足が自然と早くなる。けれど、もしも転んでお腹をぶつけてしまっては危ないと意識してゆっくりと歩くようにした。
時折立ち止まってうしろを振り返る。
ふと脳裏に過るのは、見知らぬ男の人にあとをつけられた数カ月前のこと。
あれ以来なにも起こらないので最近ではもうすっかり頭から抜けていたので気にしていなかった。
でも私の近くで二回も聞こえたシャッター音があのときの不安を思い出させる。
もしかしてスーパーで誰かに写真を撮られていたのだろうか。
まだそうと決まったわけではないけれど背筋に冷たいものが走る。
ゆっくり歩こうと心がけていたのに自然と歩く速度が上がってしまう。
ようやくマンションに到着して自宅に入ると安心からか思わずその場に座り込んでしまった。
シャッター音の件を英介さんに連絡した方がいいのかな。
バッグからスマートフォンを取り出して彼の電話番号を表示させる。でもきっとまだ仕事中だ。忙しいのだから連絡をしない方がいい。
帰ってきてから相談しよう。
とりあえず夕食を作るため、ゆっくりとその場から立ち上がった。
けれどその日、英介さんが帰宅したのは昨日と同じく日付が変わるような時間帯。
いつものように私の前では疲れた素振りを一切見せないが、疲労を貯め込んでいるはず。
そんな彼に余計な負担をかけさせたくなくて、シャッター音の件は相談できなかった。