再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


でも、いつまでもこのままでいいとも思っていない。

トラウマを克服したい。

そうしなければ結婚できないし、私とバージンロードを歩きたいという父の夢を叶えられない。

だから勇気を出して前に進んでみようと思った。


「でも、そんなにすぐには彼氏なんてできないですよね。まずは出会いがないと」


ふと思い出したのは先月の出来事。

職場の同期から告白をされて断ったばかりだ。

トラウマを理由にしたからではなくて、彼とはこれからも同期として仲良くしていきたいと思ったから。付き合うという選択肢は初めからなかった。


「友達に紹介してもらおうかな。それか今はマッチングアプリという手もありますよね」


そこで出会った男性と少しずつ距離を縮めて、トラウマのことも受け入れてもらってから交際に進めば、いざ触れ合う行為になったときも理解してもらえるかもしれない。

でも、そんな女はきっとめんどうだよね。


「俺は嫌だな。千晶ちゃんが友達に男の人を紹介してもらうのも、マッチングアプリを使うのも」


加賀美さんがぽつりとこぼす。


「仮にマッチングアプリで出会った男の人と初めて会うってなったときはその場に乗り込んで千晶ちゃんを連れ戻すかも」

「えっ……。あ、マッチングアプリは危険もあるかもしれないですしね。気を付けます」


じゃあやっぱり友達に紹介してもらうのがいいのかな。


< 22 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop