再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「俺の言いたいことが伝わってないな」
加賀美さんがどこか困ったように笑った。
「千晶ちゃんに彼氏を作ってほしくないって意味で言ったんだけど」
「私に結婚をするなと……」
「違うよ。そうじゃない」
気が付くと車は自宅に到着していて、父とふたりで暮らす築年数の古いマンションの駐車場の隅に加賀美さんは車を停車させる。
ハンドルから手を離した彼がまっすぐに私を見つめた。
「俺が千晶ちゃんの彼氏になりたいってこと」
「えっ」
「俺じゃだめかな」
ぽかんとだらしなく口を開けたまま固まってしまう。
加賀美さんが私の彼氏になりたい?
「えっ、あの、えっと……」
わかりやすく動揺している私に加賀美さんは余裕の笑みを浮かべた。
「好きだよ、千晶ちゃんのこと。ずっと前からかわいいなって思ってた」
ぶわっと全身が熱くなる。
お互いの視線が絡み合い、トクンと心臓が高鳴った。
じわじわと顔に熱を持つのがわかり、照れているのを見られたくなくてうつむいた。
加賀美さんが私を好き?
夢でも見ているのだろうか。それくらい信じられない。
「いきなりごめん。困らせるってわかってるけど、千晶ちゃんかわいいから。彼氏を作ろうと思えばすぐにできると思う。だからその前に俺のものにしたかった」
柔らかな声。
真剣な眼差しに射抜かれて、体の奥がきゅんと疼いた。