再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
尾行と保護
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「――いいじゃん、付き合っちゃえば」
数日後の職場。
同期の青柳透子と会社近くにある広場のベンチに座ってランチを取りながら、先日の加賀美さんとのやり取りを打ち明けた。
「その人……えっと、加賀美さんっていうんだっけ。かっこいいんでしょ。しかもキャリア官僚。私なら迷わず彼女になるけどな」
「うん、でもさ……」
言いかけた言葉を止めて、ぱくりとおにぎりにかぶりつく。
加賀美さんに告白をされてから六日が経った。
あのあと『すぐに返事はしなくていいから考えてほしい』と言われて車を降りた。
その翌日、スマートフォンには久しぶりに加賀美さんからメッセージが届いて食事に誘われた。その約束が今日だ。
「それで、答えは出たの?」
もぐもぐとおにぎりを食べていると、隣に座る透子がまるで尋問でもるすかのように鋭く尋ねてくる。
私は口の中のおにぎりを飲み込んでから首を横に振った。
「まだわからない。加賀美さんのことはいい人だなって思う。一緒にいると落ち着くし楽しい。それに彼女になったらきっとすごく大切にしてもらえるんだろうなって思うけど」
「一歩踏み出せない感じ?」
「そんなところ」
加賀美さんはいつから私のことが好きなんだろう。そんな素振りは一切なかったから気が付かなかった。