再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
でも、きっと本気で想いを伝えてくれたのだと思う。加賀美さんはそんな冗談を言うような人じゃないから。
私もじっくりと考えて答えを出したい。
「とりあえず付き合ってみればいいのに」
食べかけのおにぎりを見つめながら悩んでいる私を見て透子が溜息を吐く。
「前から思ってたけど千晶って恋愛に消極的なところあるよね。合コンにも来てくれないし、立花からの告白も断ったんでしょ」
「えっ、知ってたの⁉」
さらっと先月の告白の件を言われて、ぎょっとした顔で透子を見つめる。
「もちろん。だって私がずっと立花の恋愛相談に乗ってたんだからね。千晶にフラれた日、あいつものすごく落ち込んでたよ」
「そっか……」
同じ営業課でタウン誌を担当している立花くんは同じ年に入社した同期だ。
その年に採用されたのが私と透子と立花くんだけだったこともあり三人の絆は強く、頻繁に食事へ行ったり遊びに出掛けたりするほど仲がいい。
だからこそ立花くんのことは仲良しの同期としか思えない。告白をされても彼の気持ちに応えることができなくてその場で断った。
それが先月のこと。あれ以来、立花くんとは気まずい関係が続いている。
どうにかして以前のような関係に戻りたいけど、振った私が気軽に話しかけていいのか悩んでいた。