再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
ランチを終えると職場に戻って午後の仕事に取り掛かる。
求人募集を出したいというお客様企業を訪問して職場に戻ってきてからは、自分のデスクで原稿の作成に取り掛かった。
週に一度ある校了日は仕事の終わり時間が遅くなるけれど、今日はそうではないので定時を少し過ぎた頃に会社を出た。
加賀美さんとの約束は午後七時。
まだ一時間ほどあるので適当に時間を潰してから待ち合わせ場所に向かう。そこにはすでに加賀美さんの姿があって、慌てて駆け寄り声を掛けた。
「すみません、お待たせしました」
「いや、時間ぴったり。俺が早く着いただけだから気にしないで」
加賀美さんは今日もぱりっとしたスーツを着ている。黒髪もきれいにセットされているし、目鼻立ちの整った容姿は周囲の女性たちの視線を集めるほどだ。
やっぱり加賀美さんはかっこいいなぁ。
初めて会ったとき私はまだ高校生だったけど、年上の大人な加賀美さんを素敵な人だと思った。
まさかそんな彼に告白される日がくるなんて。
「行こうか、千晶ちゃん」
「はい」
加賀美さんのあとに続いて歩き出す。
なんとなく隣を歩けなくて一歩後ろを着いていく。
もしも加賀美さんの彼女になったら……。
彼の隣を歩く自分を想像してみる。その姿があまりにも不釣り合いで、がっくりと肩を落とした。