再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「千晶ちゃんはなに飲む?」


メニュー表を見ていた加賀美さんの視線が私に向かう。

緊張している私とは違い、彼はいつも通りだ。

告白されたよね?と、疑ってしまいたくなるほど加賀美さんの口からその話題が出てこないし、私への接し方にも変わりは見られない。

だったら私も変に意識しないで普段通りでいよう。


「加賀美さんはどうされますか?」

「俺はノンアルかな。車で来てるから」

「そうなんですね」


近くのコインパーキングに車を停めているのかもしれない。それならアルコールは飲めない。


「私もノンアルにします」

「俺に気を遣わなくていいよ。千晶ちゃんは好きなの飲みな」

「いえ、今日はノンアルな気分なので」


メニュー表から飲み物と料理を決めて、加賀美さんが店員に注文をした。

しばらくして運ばれてきたのは私が頼んだ渡り蟹のトマトクリームパスタと加賀美さんが選んだグリルチキンのセット。


「加賀美さんの美味しそうですね」


彼の前に置かれたプレートの料理を思わずじっと見てしまう。

こんがりと焼いた鶏肉と共にカラフルな野菜が添えられた一品にはスープとサラダとパンがセットになっている。

ちなみに私のパスタもサラダがセットだ。


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