再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「ここに来るとだいたいいつもこれを頼むんだよな。あっ、千晶ちゃんのパスタもおいしいよ。この前来たときに同期が食べていたから少し分けてもらったけど」


このお店は加賀美さんのお気に入りらしい。同期と集まるときなどよく利用しているそうだ。ここへ来る途中、歩きながら教えてもらった。


「同期の方たちとはよく会っているんですか?」


会話をしながらふたりそろって食事を始めた。


「同期全員ではないけど、その中の数人とは定期的に会ってるかな。俺はしばらく東京を離れてたし、みんな別の省庁で忙しくしているから予定を合わせるのが大変だけどね。ここは個室もあるからそこを予約して、お互いの近況などを話したりするんだ」

「仲良しなんですね。私も同期とはよく食事に行ったりします」


その中のひとりに告白をされて断ったというのは黙っておく。

食事前はデートみたいだと緊張していたけれど、美味しい料理を食べながら会話を楽しんでいるうちに普段通り加賀美さんと接することができた。

食事を終えるとデザートも食べようとなり、再びメニュー表を広げる。

クレームブリュレかタルトタタン。そのふたつで迷ってしまう。

こういうときとりあえずふたつには絞れるけど、そのどちらにするのかをなかなか決められない。いわゆる優柔不断というやつだ。


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