再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「それよりも千晶ちゃん、ちょっとごめん」
「えっ――」
加賀美さんの手が私の腰に回り、ぐっと引き寄せられた。
突然密着した体にドキッと心臓が小さく跳ねる。
「か、加賀美さん?」
腰に手を回されたまま歩きながら、背の高い彼を見上げる。思った以上に距離が近くてさらに動揺していると、すっと目を細めた加賀美さんがさり気なく視線を後ろに向けた。
「つけられてるな。さっきの男だ」
つけられている?
それってもしかして……。
「レストランにいた人ですか」
「そう。俺たちとは一定の距離を保ちながら後ろからついてきてる」
ずっとあとをつけてきたのだろうか。
「どうしてそんな……」
「理由はわからないけど、こそこそと尾行されているのはあまり良い状況ではなさそうかな」
やっぱりストーカー?
動揺する私とは正反対に加賀美さんは冷静だ。
「とりあえず今日は電車で帰るのはやめておこう。俺が車で送るよ」
「すみません。よろしくお願いします」
加賀美さんに手間をかけさせてしまうけど、あとをつけられていると知った今ひとりで電車に乗って帰るのはこわい。