再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
コインパーキングに着くと、以前も乗せてもらったことがあるホワイトカラーのSUV車が停まっていた。
助手席に乗せてもらい、加賀美さんも運転席に乗り込む。
すぐにエンジンがかかり車が出発。駐車場を抜けて路地に出てから、車通りの多い幹線道路を走る。
ここまで来ればあとをつけられてはいないだろう。
「もう大丈夫ですよね」
シートの背もたれによりかかり、緊張が解けたようにふうと息を吐き出した。
けれど、ハンドルを握る加賀美さんの表情は険しいままだ。
「千晶ちゃん、誰かにあとをつけられるような覚えはない?」
「ないと思うんですけど」
知らないうちになにかきっかけを作っていたのだろうか。
ほっとできたのは一瞬だけで、すぐにまた得体の知れない恐怖が全身にまとわりつく。
無意識にシートベルトを両手で強く握りしめていた。
「大丈夫だよ」
恐怖から体を強張らせていると加賀美さんの優しい声が聞こえた。
「俺といれば安全だから。最近はデスクワークばかりだけど、これでも一応訓練を受けた警察官だ。必ず千晶ちゃんを守るから安心して」
加賀美さんがちらっと私を見て微笑む。
私もなんとか口角を上げて笑顔を返そうとしたけれど、ぎこちない表情になってしまった。