再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
しばらくして自宅のあるマンションに到着した。
駐車場の隅に車を停めた加賀美さんはエンジンを切ると、どこかをじっと見つめる。
「……誰かいるな。エントランスの植え込みのあたり」
彼の言葉を受けてエントランス付近に視線を送った。
そこには二メートルほどの中木が生い茂っているのだが、それに隠れるようにしてぼんやりと人影のようなものがある。暗闇でよく見えないけれどスーツを着ている男の人だ。
「もしかしてさっきの人……」
食事をしたカフェレストランで私のことを見ていたという男もスーツを着ていた。まさかあの人が先回りして待ち伏せしているのだろうか。
でも、どうして私の家を知っているのだろう。
「いや、さっきの男とは違う」
加賀美さんがすっと目を細める。
「ここからだと距離があってよく見えないけど、さっきの男よりも体格が大きい気がする。髪型もちょっと違うし、たぶん別人だな」
「そうですか」
私のことを見ていた人とは別の人だとわかり、ちょっとだけ緊張が解ける。
「でもあの様子だとあそこで誰かを待ち伏せしているようにも見える」
「えっ、やっぱり私を⁉」
再び体に緊張が走った。
「そうとは言い切れないけど、さっきも男にあとをつけられたばかりだからその可能性を考えた方がいいかもしれないな」