再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


テレビの前に置かれたソファに浅く腰を下ろしてから、改めてリビングを見回した。

部屋の隅に段ボールが三つほど置かれている。引っ越してきたばかりで荷解きがまだ終わっていないのかもしれない。


「ごめん。気の利いた飲み物がなくて」


麦茶の入ったグラスをふたつ持って戻ってきた加賀美さんが申し訳なさそうに眉を下げ、私の隣に腰を下ろした。


「ありがとうございます。いただきます」


さっそく麦茶を口に含む。思ったよりも喉が渇いていたようでごくごくと一気に飲んでしまった。

時刻は午後九時になろうとしている。

加賀美さんに勧められてシャワーを借りることにした。

ここへ来る途中に下着は購入できたけど、今夜寝るための服は用意できなかったので加賀美さんのスウェットを貸してもらった。

シャワーを浴び終えてそれに着替える。けれど、私と加賀美さんとでは身長差があるので長袖シャツもズボンもぶかぶかだ。

シャツは袖を捲ればなんとか着られるけどズボンは腰紐を締めてもサイズが合わなくて落ちてきてしまう。

長袖のシャツの丈が太ももを隠すくらいまでの長さがあるので、もういっそズボンを穿くのをやめようと思ったけれどさすがにその格好はどうだろうと思い直す。


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