再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「ごめん、困らせちゃったかな」
先ほどの加賀美さんの言葉にあたふたしていると、私の髪をいじっていた彼の指が離れてポンと軽く頭を撫でられた。
「髪まだ濡れてるから乾かしておいで。洗面台の下扉の中にドライヤーがあるから使って」
「あ、ありがとうございます」
くるんと背を向けてリビングを後にした。
洗面室に戻りドライヤーを見つけて髪を乾かす。その間も先ほどの加賀美さんの言葉が頭の中で繰り返されて、心臓がどくどくと大きく脈を打つ。
加賀美さんって私のことが好きなんだよね……。
忘れていたわけではないし、彼の気持ちを疑っていたわけでもない。けれど不意打ちの甘いセリフに加賀美さんが私に向ける気持ちを改めて実感した気がした。
髪が乾くまでにはなんとか心を落ち着かせて、再びリビングに戻る。私と入れ替わるように加賀美さんがリビングを出ていき、シャワーを浴びにいった。
さっきまで彼が座っていたソファに腰を下ろす。
加賀美さんを待ちながらテレビ画面に流れる情報番組を見ているうちにだんだんと睡魔が襲ってきた。
ニュースを読み上げる女性アナウンサーの声が子守歌のように心地よく耳に届き、瞼がくっつきそうだ。
背もたれによりかかっていた体がずるずると崩れていく。そのままソファの上で体を横たえるといつの間にか目を閉じていた。