再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
同居と嫉妬
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目を開けると見慣れない天井が見えた。
自分のものとは違うベッドに横たわっている。
閉じられたカーテンの隙間から差し込むほんのりと明るい日差しで朝を迎えているのだと気が付いた。
そういえば、加賀美さんの家にいるんだっけ。
シャワーを浴びたあとテレビを見ていたら睡魔に襲われてソファで寝てしまった。
それなのにベッドにいるということは加賀美さんが運んでくれたのだろう。
加賀美さんは?
彼の姿が見えない。
起き上がった私は寝室の扉を開けてリビングに顔を出す。しんと静かなその部屋にも加賀美さんの姿はなかった。
どこかに出掛けているのかな。
時計は午前七時を指している。いつもなら出勤の支度に追われているけど、今日は土曜日で休みだからその必要はない。
加賀美さんはどうなのだろう。父は土日祝日も関係ない交代制の勤務だった。加賀美さんも同じなら、もしかしたら今日も仕事で、すでに出掛けたあとかもしれない。
リビングのカーテンを開けて室内に光を取り込んでいると、玄関の方から鍵が開くような音が聞こえた。
少ししてリビングの扉が開き、加賀美さんが姿を見せる。
キャップを被り、動きやすそうなスポーツウェアを着ている彼は〝bakery〟と書かれたおしゃれな紙袋を持っていた。