再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「おはよう千晶ちゃん」
「おはようございます」
加賀美さんがキッチンに向かう。
「休日の朝はランニングをすると決めているから今日も少し走ってきた。そのついでに朝食のパンを買ってきたから一緒に食べよう」
彼が持っていた紙袋の中にはそこに書かれていた通りパンが入っているらしい。
どうやら加賀美さんも私と同じで今日は仕事が休みのようだ。
それぞれ支度をすませてからテーブルにつき朝食を取り始める。
「好きなパン取っていいよ。近所にある店なんだけど俺のオススメを買ってきたから」
テーブルの上には数種類のパンが並んでいる。
「美味しそう」
その中のひとつを手に取った。食べる前に加賀美さんに昨夜の謝罪を伝える。
「昨日はすみませんでした。加賀美さんがベッドに運んでくれたんですよね」
「起こそうと思ったんだけど、気持ち良さそうに寝ている千晶ちゃんを見ていたら起こせなくて」
「すみません、重かったですよね」
「いや、軽かったよ。それよりも俺が普段使っているベッドに寝かせちゃってごめん。嫌じゃなかった?」
「そんなことないです」
首を大きく横に振ると、「そっか」と微笑んだ加賀美さんがパンを頬張る。
私も手に持っているパンをぱくりと小さくかじった。