再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「加賀美さんはどちらで寝たんですか」
紳士的な彼の性格を考えると私と同じベッドで寝たとは思えない。
「俺はソファ」
そうだろうなと思っていたけど、申し訳なさでいっぱいになる。
「ごめんなさい。私がベッド使っちゃって。ソファで眠れましたか」
大人三人は余裕で座れそうな大きさのソファだけど、背の高い加賀美さんには窮屈だったかもしれない。
「大丈夫。どこでも眠れるのが俺の特技だから」
加賀美さんにそんな特技があるのを初めて知ったけれど、たぶん私が気を遣わないように言ってくれたのだろう。
「それよりも千晶ちゃん、これからどうしようか」
ひとつ目のパンを食べ終えたところで加賀美さんに尋ねられた。
彼の淹れてくれた温かい紅茶が入ったマグカップをじっと見つめる。
「どうすればいいんでしょうか。家に帰っても大丈夫なのかな」
昨日のレストランにいたスーツを着た男と、マンションのエントランス付近にいたスーツを着た男。
レストランにいた男の方は私のあとをつけてきたから確実に私を狙っている。一方でマンションにいた男の方は私を待ち伏せしていたという確信はない。でも、おそらく私を狙っていたのだろうなと思う。
どうして私?
理由はなんだろう。
思い当たる節がなにもないから余計にこわい。