再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
昨日は加賀美さんの家に泊めてもらったけど、さすがに今日もというわけにはいかない。
でも、家に帰ってあの男たちが待ち伏せしていたらと思うとこわくてたまらない。
テーブルに置いた両手をぎゅっと握りしめると、それを包み込むように大きな手が重なった。
「千晶ちゃんさえよかったらもう少し俺の家にいる?」
私の両手を包む加賀美さんの手に優しく力がこもる。
「それとも他に頼れる人がいるなら、その人の家にしばらく身を置くって手もあるけど」
他に頼れる人……。
近所に父の妹夫婦が暮らしているけれど、高校と大学の受験を控える息子がふたりいる。私が泊まると彼らは気を遣って勉強に身が入らないかもしれない。
叔母夫婦には子供の頃から良くしてもらっているから、事情を話せば泊めてもらえるかもしれないけど迷惑はかけたくなかった。
都内には友人や同期の透子も暮らしているけれど、怪しい男たちにあとをつけられている今、もしかしたら彼女たちも危険に巻き込んでしまうかもしれない。それだけはしたくないので彼女たちの家に身を置くのもやめた方がいい。
だからといってこのまま加賀美さんの家にいるのもどうなのだろう。