再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「俺に遠慮してるならその必要はないよ」
「でも迷惑ではないですか」
「そんなこと思ってない。好きな女の子が困っているんだから力になりたい。他の誰よりも俺を頼ってほしいと思ってる」
「加賀美さん……」
好きな女の子。
そう言われたことにドキッと胸が小さく高鳴る。
ふと私の両手を優しく包む加賀美さんの手に視線が向かった。
やっぱり加賀美さんだと触れられてもこわくない。
あまりにも自然に彼の手が重なったから意識すらしなかった。今も不快感を抱くことはないし、振り払いたいほどの拒否反応もない。
「千晶ちゃん?」
名前を呼ばれてはっと顔を上げる。
もしかして加賀美さんには触られても平気なのだろうか。
「加賀美さん」
「ん?」
「しばらくここに置かせてもらってもいいですか」
迷惑ではないし遠慮もしなくていいと言ってもらえたけれど、それを素直に受け取っていいのかわからない。
でも、知らない男の人にあとをつけられたり待ち伏せをされたりといった今の状況がこわいから加賀美さんのそばにいたい。
「もちろん。千晶ちゃんの安全がわかるまでここにいていいよ」
「ありがとうございます」
今は他に頼れる人もいない。
加賀美さんの好意に甘えさせてもらうことにした。