再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
朝食を終えた私たちは加賀美さんの車で私の自宅があるマンションにいったん戻ることになった。
しばらく加賀美さんの家に身を置くにしても着替えなどが必要だから、それらを取りに戻ることにしたのだ。
マンション付近に昨日の男たちの姿があれば引き返そうと話して加賀美さんの車に乗り込む。
私の服は昨日のままだけど加賀美さんは私服だ。
白色のカットソーの上から首元がゆったりとした開襟シャツを羽織り、黒色のチノパンを合わせたシンプルなもの。モノトーンな配色が洗練された大人な印象をさらに引き立てている。
休日ということもあり髪はいつもよりもラフに整えられていた。
父と食事をするためにうちに来ていた頃の加賀美さんはいつもだいたい仕事終わりに寄っていたからスーツを着ていることが多かった。
私服姿をあまり見たことがなかったのでとても新鮮だ。
端正な顔立ちと抜群のスタイルの持ち主なので、どんな服を着ても似合ってしまうのだろう。
着替えがないので仕方がないとはいえ私の服装が昨日と同じ仕事着のままなのがいたたまれない。
でも、顔もスタイルも平凡な私は加賀美さんとは違ってなにを着ても洗練された大人な雰囲気にはならないと思う。
母さんに似ていれば美人だったんだけどなと、普段はあまり母の話をしたがらない父が酒に酔って帰ってきた夜にぽつりとこぼしていたのを思い出す。