再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


加賀美さんは一時期父と同じ警察署に勤務していた警察官だ。

とはいってもいわゆるノンキャリアの父とは違い、加賀美さんはキャリア組のエリート。

超一流の国立大学の法学部を卒業後、国家公務員試験を受けて全国の警察の指揮・監督等を行う警察庁に入庁。

学校での研修を終えて、初めて配属されたのが父と同じ警察署だった。

ノンキャリアの父の当時の階級は巡査部長。一方でキャリア組の加賀美さんの当時の階級はすでに警部補。

父の方が階級は下だけど警察官としての経験は長いので新人の加賀美さんの相談に乗ったり、アドバイスをしたりしていたそうだ。

それをきっかけにふたりは親しくなり、プライベートでも食事をする仲になった。

加賀美さんの異動で勤務先が変わっても交流は続き、彼がうちに遊びに来るようにもなったので父の娘である私とも自然と親しくなったというわけだ。

二年前に加賀美さんが北海道の警察本部に異動してからは一度も会っていなかったが、今月から東京に戻ってきたらしい。


「それじゃあこれからは加賀美さんとまたいつでも会えるんですね。うれしい」

「怪しいなぁ。本当にそう思ってる?」


加賀美さんはわざとらしく意地悪な顔を作り、私の顔を覗き込んだ。

もちろん本心で言ったのに信じてもらえず、私は小さく頬を膨らませる。


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