再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
すると立花くんが困ったように笑う。
「そんなに意識すんなよ。普通にしてもらえると助かる」
そう言って歩き始めた立花くんの少し後ろを歩きながら、彼の背中を気まずい気持ちで見つめる。
「そういえば、今朝一緒に会社まで来ていた人って佐波の彼氏?」
ちらっと振り返った立花くんが、歩く速度を緩めて私の隣に並んだ。
「いつから付き合ってるの? 俺が告白したときには彼氏いないって言ってたよな。あのあとすぐ?」
「えっ、いや、あの人は……」
「背が高くてイケメンだったな。ばしっとスーツ着こなして、仕事ができますオーラが漂ってた。俺らより年上だよな。何歳?」
「三十歳」
「六つ上かぁ。仕事なにしてるの?」
立花くんの質問が止まらない。彼氏ではないと否定するタイミングを失ってしまった。
加賀美さんの仕事……。
「デ、デスクワーク。資料を作っているんだって」
「ふーん。俺らと同じ会社員ってことか」
「……」
本当は国家公務員で、しかもキャリア官僚なのだけれど。
「佐波はああいう男がタイプなんだな。俺なんてフラれて当然だ」
「え、いや、別にタイプというわけではないんだけど」
「でも絶対にあの人の方が俺よりもかっこいいだろ」
立花くんの表情に影が差す。