再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


正直な気持ちを伝えると、立花くんはなぜか顔を上に向けて固まってしまった。

片手で目頭のあたりを押さえながら「そういうところなんだよな」とぶつぶつ呟いている。


「立花くん?」


どうしたのだろう。

声を掛けるとようやく彼の視線が戻ってきた。心なしか目が赤い気がするけど大丈夫かな。

すんっと鼻をすすった立花くんが笑顔を浮かべる。


「やっぱり佐波はいいやつだな。俺、同期としてお前のことすげぇ好きだわ」


立花くんの手が伸びてきて、くしゃっと私の髪を撫でた。

その瞬間、思わず肩がびくっと跳ねて背中にぞわぞわと冷たいものが走っていく。

加賀美さんのときは大丈夫だったのに、立花くんに触られるとこわい。

トラウマのきっかけとなった高校生の頃の辛い体験を思い出して体が固まる。

ぷるぷると小刻みに手も震えてきた。


「佐波?」


そんな私の異変に気付いたのだろう。

私の頭に軽く手を置いたまま、立花くんが私の顔を覗き込んでくる。


どうしよう、やっぱりこわい――。



「――なにをしているんだ」



すぐ近くで聞き慣れた男の人の低い声が聞こえた。

すると私に触れていた立花くんの手がすっと離れていく。

隣に視線を向けるとスーツ姿の加賀美さんがいて、その手はさっきまで私の頭に触れていた立花くんの手首を掴んでいた。


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