再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「加賀美さん。どうしてここに……」
彼を見た瞬間、強張っていた体の緊張が解けていく。
「千晶ちゃんを迎えに来たに決まってるだろ」
「でも仕事は?」
帰りは仕事が終わる時間が読めないから迎えには来られないと言っていたのに。
「早く終わらせた。千晶ちゃんを迎えに行けると思って急いで来たんだ」
それでわざわざここまで……。加賀美さんの優しさが胸に沁みる。
「ありがとうございます」
「いや。急いででも来てよかったよ」
低い声でぽつりと呟いた加賀美さん。
いつも穏やかな彼にしては珍しく鋭い視線を立花くんに向けている。
「えっと……佐波の彼氏さん、ですよね」
立花くんがうろたえたような表情で加賀美さんを見た。
「彼氏?」
一方の加賀美さんからは先ほどまでの鋭いオーラが消えている。きょとんとした顔で立花くんを見ていた。
そういえばその誤解を解くのを忘れていた。
立花くんは弁明するように必死に加賀美さんに声をかける。
「すみません、俺。えっと……佐波とはなんでもないんで」
不思議そうな表情を浮かべていた加賀美さんだったけれど、すぐにこの状況を理解したのだろう。
立花くんがなにか誤解をして自分のことを私の彼氏だと勘違いしていると気付いたらしい。けれど加賀美さんはそれを否定することなく「そうですか」と穏やかな笑みを浮かべて頷いた。