再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


ソファではゆっくりと休息も取れないはずだ。

それでも私にベッドを使わせてくれる加賀美さんにせめてなにかお礼をしようと、彼の自宅にいる間は食事を作らせてもらっている。

加賀美さんはほとんど自炊をしない。

料理がまったくできないわけではなくて、キッチンには必要最低限の調理器具と調味料が揃っているからやればできるのだと思う。

けれど、多忙でそんな時間はないそうだ。

ひとり暮らしで生活も不規則。食材を買っても冷蔵庫の中で腐らせてしまうことが多いので自炊をする気にはならないらしい。

それならせめて私が彼の自宅にいる間は食事を作らせてもらおうと思った。

幼い頃から父とふたり暮らしで料理は私の担当だった。

あまり凝ったものでなければなんでも作れるし、味にも自信がある。これといった特技がない私の唯一自慢できることかもしれない。

それに、これまでも何度か加賀美さんには料理を振る舞っている。彼が父を訪ねてうちに来たとき、私の手料理を食べていたから。


「加賀美さん。今晩なにか食べたいものはありますか」


ちょうど一緒に帰っているので今夜はリクエストしてもらおう。


「食べたいものかぁ。なんでもいいの?」

「はい。あ、でも帰ってすぐ作れるものでお願いします」


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