再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
びくっと体が跳ねる。
加賀美さんは大丈夫だと言っていたけれど本当にそうなのだろうか。
あのときの男の人だったりして……。
無意識に加賀美さんのスーツの袖をぎゅっと握りしめていた。
それに気づいた彼が私の手を包み込むように優しく握って微笑む。その視線が『大丈夫』と私に伝えている。
ぼんやりとした街灯の明かりの下で先ほどの人影が動いた。
「やっぱりバレてたかぁ。さすが加賀美先輩」
手で軽く頭をかきながら、男性がこちらに向かって歩いてくる。
加賀美さんの知り合いかな。
男性は私たちの目の前までくると、加賀美さんに声をかけた。
「いつから気付いてました?」
「庁舎を出たあたりからだな」
「うっわ。それってけっこう前からじゃん」
あちゃーと大げさすぎるリアクションを見せた男性が手で自身の額を覆った。
身長は加賀美さんと同じくらいか少し低いくらいなので彼もすらりと背が高い。短めの黒髪からは爽やかな印象を受け、くっきりとした二重の目からはかわいらしさを感じさせる。
年齢は二十代かな。私とあまり変わらないように見える。
「お知り合いですか?」
背の高いふたりを交互に見上げたあと、加賀美さんに尋ねた。
「ああ。二期下の後輩で――」
「及川颯真っていいます。年齢は二十八。警察庁の刑事局に所属しています」