再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


眠いのもあり、さらに安定した支えを求めるように加賀美さんの体にすり寄ってしまった。

スーッと目を瞑る。

そのとき、顔の前に気配を感じた。

閉じていた瞼を開けようとした瞬間、唇を柔らかななにかに塞がれる。

優しく吸い付くように触れてからそっと離れていったそれは加賀美さんの唇だった。


「――えっ……」


目を開けるとすぐそばに彼の顔がある。

熱を孕むような瞳に見つめられてトクンと心臓が跳ねた。


加賀美さんにキスをされた。


きょとんとした顔で見つめていると、ハッとしたような表情を見せた彼が片手で自身の口を覆い、焦ったように私から体を離した。


「ごめん。俺なにしてんだろ」


眠気はもう完全に吹き飛んでいる。

そっと唇に手を添えた。

ここに加賀美さんの唇が触れた。

あっという間の出来事で、私は半分寝ていたのだけれど、それでも感触を思い出すことができる。

それに、やっぱり加賀美さんだと大丈夫だ。

唇同士が触れ合ってもまったく嫌じゃなかった。

その理由を知りたいと思ってしまった。


「加賀美さん」

「うん、ごめん。怒ってるよね。本当にごめん。つい魔が差した」


申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にする加賀美さん。

怒ってなんかいない。

そうじゃなくて、私が今思っているのは……。


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