再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
恋人とピンチ
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ふわりと意識が浮上して瞬きを繰り返す。
重たい瞼を持ち上げるとカーテンの隙間から差し込む眩しい光が、朝がきたことを教えてくれる。
ここは加賀美さんの家の寝室。だいぶ見慣れてきた天井をぼんやりと見つめながらまだ眠たい目をこすった。
「おはよ」
隣から声が聞こえて視線を向けると、そこには加賀美さんがいて……。
「えっ」
一瞬だけ時が止まる。
どうして加賀美さんがここに?
ううん、ここは彼の家なのだからいるのは当たり前。
でもじゃあどうして同じベッドで寝ているの?
しかも加賀美さんは上半身になにも身に着けていない。
ハッとして掛布団の中を覗き込むと、私も下着しか身に着けていなかった。
ゆっくりと視線を加賀美さんに戻す。優しく目を細めた彼に見つめ返された。
「昨夜のこと覚えてる?」
「……覚えてます」
一瞬なにが起きているのかわからなかったけれど、すべてはっきりと思い出した。
昨夜、私は加賀美さんに抱かれた。
ソファで始まった行為はベッドに移動してからも続き、さっきははっきりと思い出したと言ったけれど最後の方の記憶は曖昧だ。
たぶん途中で眠ってしまって朝を迎えたのだと思う。
今日は土曜日。私は仕事が休みだけど、加賀美さんも焦る様子を見せていないということは同じなのだろう。