再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「ちょっとだけ目を瞑っていてもらえませんか」
「目? どうして」
「は、恥ずかしいので、その……」
私の体なんてもう加賀美さんにはすべて見られた。それでも明るい場所で改めて見られるのは恥ずかしい。
すると察してくれたのか加賀美さんが「了解」と呟いた。
ちらっと振り向いて確認するときちんと目を閉じてくれている。
体に巻き付けていた掛布団を剥がしてベッドから降りた。
そのまま移動して扉を開ける。閉める前にそっと顔を覗かせて「もういいですよ」と、目を閉じている加賀美さんに声を掛けてから寝室を出た。
私がシャワーを浴び終えると入れ替わるように加賀美さんがバスルームに向かう。
その間に簡単に食事を用意して、戻ってきた加賀美さんと一緒に少し遅めの朝食を取ることにした。
パンを食べていると先に食べ終えた加賀美さんがテーブルに頬杖をついて私を見てくる。
口角が持ち上がり、機嫌が良さそうだ。
「あの、どうしましたか?」
見られていることがくすぐったくて声をかける。加賀美さんは笑顔をいっそう深めて「なんでもないよ」と答えた。
彼のことをあまり意識しないようにパンを食べ進め、最後のひと口が終わってからマグカップに口をつけた。