再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「食べ終わった?」
加賀美さんに確認されて「はい」と頷く。
「それじゃあ返事を聞いてもいい?」
「返事?」
一瞬なにを言われたのかわからなくてきょとんとした顔をしてしまう。
「約束しただろ。告白の返事を聞かせてくれるって」
「あ……はい、そうでした」
答えはもう出ている。
私は背筋をしゃんと伸ばしてイスに座り直した。
「その前に私の過去を話してもいいですか」
「千晶ちゃんの過去?」
「はい。私が彼氏を作ることに消極的だった理由です」
加賀美さんは覚えているだろうか。父のお見舞いの帰りに彼の運転する車の中でその話をしたのだけれど。
「そういえば前にそんな話をしてたよね。なにか理由があるの?」
加賀美さんが私を見つめて、話の続きを促す。
「実は、私――」
テーブルの上に置いた両手をきゅっと握り締めながら高校一年生の頃に起きた痴漢被害について打ち明けた。
私の話に黙って耳を傾けながら加賀美さんの表情が少しずつ険しくなる。すべてを話し終えると「許せないな、その男」と低い声で吐き捨てた。
「高校一年生の頃ってことは俺と出会う一年前か」
「はい」
加賀美さんと初めて会ったのは私が高校二年生のとき。酔っ払った父を自宅まで送り届けてくれたのが加賀美さんで、それが彼との出会いだ。