再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「そのときのことが原因で男の人に触ったり触られたりするのがこわいんです。だから彼氏も作らないようにしていました」
「そうだったのか。話してくれてありがとう」
加賀美さんは優しい声でそう言うと、申し訳なさそうに眉を下げる。
「じゃあ俺が触るのもこわかったんだな。ごめん」
すっと頭を下げる加賀美さん。私は慌てて「違うんです」と首を横に振った。
「加賀美さんは大丈夫だったんです。触られてもこわくなかった」
一番伝えたかったことを口にした。
「加賀美さんと手を繋いだときも、髪を撫でられたときも、抱き締められたときも、キスをされたときも。それに、昨夜のことも。こわくなかった」
だからといってトラウマを克服できたわけではないと思う。立花くんに触られたときはこわかったから。
たぶん加賀美さんだけが大丈夫なんだ。
「どうして俺だとこわくないの?」
勘の鋭い彼はその答えにもう気付いているはず。私がこれからなにを伝えたいのかも。
「加賀美さんのことが好きだからだと思います」
はっきりと言葉にした瞬間、顔がほんのりと熱くなるのがわかった。
とっさに俯いてしまう。