Twinkleな彼は、【完】

Feb.靡くな、なんて…



駅から家まで続く道。


「本当にすみません…」


「全然!しょーがない!」


謝ると、にかっと白い歯を見せて笑いかけてくれる芽吹先輩。


冬も深まり、2月を迎えました。



2月といえば、テストがあるわけで、おつむが弱い私は必修科目の経営統計学を芽吹先輩に教えてもらう約束をしてたんだけど、レジュメを一式家に置いてきてしまい…



今日以降芽吹先輩と予定が合う日がなく、急遽、大学から電車で1時間かかる私の家までご足労頂いてるわけです。



「うう、不甲斐ない…」



「抜けてるのがはなちゃんだからな!」



そう言って許してくれる優しい先輩でよかった。


芽吹先輩はチャラチャラして見えて、実は超頭が良くて大学でも単位を落としたことがないらしい。


必修だし、私も樹も落とすわけにはいかない!



だから私がなんとか芽吹先輩から知識をゲットして、樹に教えてあげるんだ!!



「うち、ここです」



『水野』と書かれた表札を指差す。



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