Twinkleな彼は、【完】


「はなちゃ、だいじょ」


「あっ!」



あまりにもグラスの中のオレンジジュースが揺れているから芽吹先輩が手伝おうと立ち上がってくれた瞬間


見事に一つのグラスが倒れてオレンジジュースが床に滴って、真っ白のカーペットにシミを作っていく。



あの日のデェジャブだ



…私、どこまでもポンコツ



「すみません!」



「俺はかかってないから大丈夫!はなちゃんは?」



「私もです!あのっ、拭くもの持って来ます」


はあ、ほんと大きなため息がでるよ


急いでリビングに駆け戻り、あるだけの雑巾を持って部屋へ戻った



「貸して、俺も拭くから」



嫌な顔ひとつせずに手伝ってくれる芽吹先輩は神様だろうか。


こりゃ、モテるよね。


最後のオレンジジュースだったのに…


「はなちゃんってほんとドジだな」


オレンジ色に染まる床を拭きながらふふ、って笑ってこちらを見る芽吹先輩
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